――では、まずはヒアルロン酸からやってみたいです! ただ、「唇に打つヒアルロン酸が顔の中で一番痛い!」という噂を聞いたことがあるので、す、が……!
稲見「確かに痛いので、僕は麻酔を使う方法を勧めています」
――いつも塗っている麻酔クリームのことですか?
稲見「はい、あれです。それに加えて注射の麻酔をするのですが、眼窩下神経(頬から唇にかけて通っている神経)というものがあります。ここに麻酔をすると上唇まで痺れて施術が楽になりますよ。下唇には、その注射麻酔では効かないのですが、上がバッチリ効いていると少しは下唇も痛みが和らぐと思います。一応、下唇用の注射麻酔も出来るのですが、今回は上唇用の頬に打つ麻酔と塗る麻酔のふたつでやってみましょうか。それで痛みは大丈夫だと思いますよ」
――えっ、注射麻酔も、それはそれで怖いですが(笑)、じゃあその方向でお願いします。イセアの患者さんで、唇をどうにかしたいと要望される人は結構多いのですか?
稲見「唇に関するご相談は結構いらっしゃいますよ。唇を薄くしたい、唇を厚くしたい、のどちらかですね。最近は、ぷりっとした唇が流行っているので、ボリュームアップを望む方が多いです」
――人間って無い物ねだりなんですねぇ……。唇に打ったヒアルロン酸の持ち具合も、通常言われるように半年間なんでしょうか?
稲見「はい、約半年と考えていただければ。唇はよく動かす場所なので、それよりももう少し短いかもしれません。個人的な経験ですが、おでこのヒアルロン酸は吸収が遅い気がします。おでこももちろん動いてはいるのですが、唇みたいな大きな動きはしないので。バストUPにもヒアルロン酸を使うことがありますが、お仕事で激しくカラダを動かす患者様は、バストに打っても吸収が早かったですね」
――いろんな箇所に打つことができるヒアルロン酸ですが、どれも同じ種類のヒアルロン酸を使ってるのですか?
稲見「部位によって異なりますね。唇に入れるヒアルロン酸は柔らかいタイプのものを使いますよ。だから少し吸収が早いという面もあると考えられます」
――ヒアルロン酸は柔らかい方が吸収されやすく、硬い方が吸収されにくいのですね!
稲見「だからといって唇に硬いヒアルロン酸を入れてしまうのも……飲んだり食べたりがしづらくなる程ではないと思いますが、見た目に『硬い何かが入ってるなぁ~』感は出てしまうと思います」
――私が初回に打った目の下のクマ部分&涙袋のヒアルロン酸は硬いものなんですか?
稲見「どちらかと言うと柔らかい方です。涙袋のヒアルは、だいぶ落ち着いてきましたね!」
――はい、4カ月が経過したのですが馴染んできている今くらいの加減が私的には好みです。
稲見「4カ月経過してその残り具合(ヒアルロン酸の)の方は稀ですよ。吸収がゆっくりなんですね」
――messy読者の皆様! 目の下のヒアルロン酸の吸収経過はまた後日書きますね! 話は戻りますが、私は目の下から口までの距離が長いと思うのですが……。
稲見「(顔を見て)うーーーん、そうですねぇ」
――ここの距離を縮めることを以前から考えていて、上唇を厚くするか、鼻の下を切って少し引き上げて縫う鼻下短縮術、リップリフトの手術をする方法かなぁと考えてはいたのですが、どう思いますか???
稲見「その手術も手ではありますが、ヒアルロン酸を打って唇をボリュームアップすることによって、少しはその距離が縮んだ印象になると思うので、まずはヒアルロン酸からしてみるのが最初の手段かと思います。本格的にやりたいのであれば、鼻下短縮術の手術をするのも有りですが、それは手術跡がどうしても残ってしまうんですよね。しかも鼻の穴の下のところに傷が出来てしまうので、他人からも見えるところに跡が残るんです。なので、この手術を考えるのは後々でいいと思いますよ」
――は~~縮めたいからやりたいけど傷跡残るって躊躇するなぁ……。
稲見「僕も以前、その手術を担当した経験があります。その患者様も十分検討されたうえで『傷が残っても結局メイクするので気にしないです』と仰っていました。しかし、やっぱり見えるところに出来る跡なので、山ちゃんさんも慎重に検討したほうがいいですよ」
――鼻の穴の下を切って、鼻の下を引き上げて縫うってことは、この手術をやると必然的に上唇は厚くなるんでしょうか?
稲見「はい、なりますね。鼻の下が上がって引っ張られるので少し厚くなります。唇も厚くしたいし、鼻の下も短くしたいし、という方は、どちらを先にやるか迷われるんですけど、まずはやっぱり負担が少ない物からやるのがいいと思いますよ」