連載

母親を『子供の夜担当』にして飲み歩く父親の、長い言い訳

【この記事のキーワード】
Photo by tenaciousme from Flickr

Photo by tenaciousme from Flickr

 子供を寝かしつけながら一緒に寝てしまい夜中に慌てて起き、ひと仕事してから明け方に寝る……という生活を続けてもう何年になるだろうか。明け方に眠るとき、小町を巡回するのが日課になっている。しかし加齢のせいか、ここ一週間、日課の小町ウォッチもままならなくなっていた。困っていた筆者に、messy編集長が「これ読んだら京子さん激怒しそう」と教えてくれたトピを読んだところ、確かに腹が立って来た。それには理由がある。今回は“ムカつく夫”トピ2つを紹介したい。

「朝帰りを禁止する妻に困ってます」

 トピ主(男性・30代半ば)は都心部に住む会社員。同じく会社員で同年代の妻との間に、未就学児の子供が2人いる。普通なら子育てに忙しい時期だろう。ところがトピ主はこんな不満をぶちまけるのだ。

「週末に呑みに行き、そのまま朝帰りすることは珍しくありません。飲みに行くときや朝帰りをするときは連絡する約束をしていましたが、二週連続で破ってしまい、妻にキレられました」

 そりゃキレますよ。妻の言い分はこうだ。

「泥酔すると記憶を無くしトラブルを起こすから心配。できれば外でお酒を呑んでほしくないが、仕事の付き合いやストレス発散もあるから呑むのは仕方ない。ただ、朝帰りはしないでくれ。また朝帰りは昼まで寝ていて貴重な休日の半分を無駄にしてしまう」

 ところが実情はもっとひどかった! トピ主は「トラブルといっても次の程度です」と、悪びれずに列挙し始めたのだ。

・妻に暴言や暴力を振るうらしい(共通の友達と呑んで妻にしかやらないみたいです。乗っていた僕をタクシーから降ろそうとしたら僕に蹴られたなど)
・財布を無くし、クレジットカードを不正利用された(一回のみ)
・学生時代は泥酔していた様をみた友人が急性アルコール中毒と勘違いし、病院に搬送された(一回のみ)
・僕の実家で酔い潰れて両親が手をつけられないでいたら、寝かしつけから戻ってきた妻がベッドに運んだ。その際に(※トピ主が妻に)暴言をはいた。

 やたらと「一回のみ」と弁解がましいところが泣かせる。未就学児の子供がいてこんな子供以下の振る舞いされたら、奥さんも激怒しますよそれは。さて筆者が何故このトピ主に腹を立てたかというと、筆者の夫も一時期酒癖が悪く悩まされていたからだ。暴言、健忘なんかはまさに同じである。しかし、その狼藉を本人は覚えていない。ゆえに、大したことないだろうと思ってしまうのだろう。いやいや、十分迷惑かかってますよ。トピ主はトピで言い訳を書き連ねる。

「連絡をしなかったのは悪いと思います。ただ、飲み会は仕事の付き合いもあるし、僕が飲み会で仕事中は話せないことを上司や部下・同僚と話しているからこそ、今の立場や年収(700万前後)が維持できており、それによる恩恵を妻は受けているはずです。飲み会に参加することでストレス発散にもなります。
また、朝帰りしないようにしても僕は呑むと気持ちが大きくなってしまうため、100%朝帰りしないと約束するのは無理です。約束を破ったときの妻とのやりとりを想像すると非常に煩わしいです。朝帰りすることも含めて僕なので、それを理解してほしいと伝えたのですが、それ以来、冷たい態度を取られてイラッとします。どうしたら、妻に理解してもらえますか?」

 う~ん、理解? 何を言ってるんですか。常日頃感じることだが、子育てをしながら仕事をしている夫婦のうち、子育ての『夜担当』は女性であることが多い。保育園お迎えから食事作り、お風呂に入れて寝かしつけ……子供が寝るか? 寝ないか? そんな最悪のタイミングで帰ってくるのが夫であり、何なら連絡なしに夜中まで飲んで調子よく帰ってくるのが夫である。周囲を見ても自身の場合でも、仕事の飲みに女親が出席する機会は出産前と比べて激減、そして男親よりも格段に少なくなる。トピ主は「仕事中は話せないことを上司や部下・同僚と話しているからこそ、今の立場や年収(700万前後)が維持できて」いると主張するが、妻だって「仕事中は話せないことを上司や部下・同僚と話し」たい。トピ主によれば、それによって立場や年収が維持できるというではないか。であれば妻はそれらを犠牲にしているとも言える……。自身の年収アップの機会を損失しながらも、夫の飲みを尊重している妻をもっと敬ったら……? あっ、うっかり自分の夫に言っているような気分になってしまった。

 怒りでコメントを紹介するのも忘れそうになった。まあ筆者と同じように皆怒っている。しかも筆者にとっては色々と参考になる。

「奥様に動画録画機能のあるものをいくつか用意してもらって暴言等の証拠をとってもらいましょう」
「30半ばにもなって家庭もある人が学生みたいな飲み方して自制もできないなんて恥ずかしくて私なら離婚します」
「主さまの症状はアルコール依存症です。私の主人がそうだったので分かります」

 ……色々と勉強になる。「びっくり」は9000超えで、かなり非常識な主張だと受け取られているようだ。

 さて、トピ主はこれを受けて開き直るのかと思いきや、反省した様子。「皆さんのレスをみて、妻と話し合いました。泥酔するような飲み方はしない。一年間は朝帰りなし。ありがとうございました。」って1年間? 1年後にまた朝帰りするようになったら、今度はもう子供に嫌われるだろう。

1 2

ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

暴走育児―夫の知らない妻と子のスウィートホーム (ちくま新書)