――これからは物件をどう活用していこうと考えられていますか? いまはお母さまとお住まいですが、お2人にしてはかなり広いですよね。
松本「実は“笑文字”を習い始めて、それがすごく楽しいんです。私は単純に楽しんでいるんですけれど、母の方がいろいろ考えていて『技術を高めて自宅でお教室を開けば?』なんていっています」
――私の名前を書いてきていただいた作品ですね。毛筆とイラストが組み合わさったような。とってもかわいいですね!
松本「趣味に夢中になりすぎて、婚活が疎かになっているのが困ったものですが(笑)。去年ぐらいぐらいは婚活の会に行ったりしたんですけど、これぐらいの年になってくるとお互いの生活ペースができてしまうので、むずかしいですね」
婚活は「条件が会わなければそれまで」
――婚活するときは、お家を購入していることを話したりするんですか。
松本「ちゃんと話して、『じゃあ俺も君の家に住むよ』といってくれる男性もいました。でも結局先方のご両親が2世帯住宅をつくって、彼が実家に呼び寄せられてしまったんですよ。最終的には他に合わない部分もあったので、家が直接の原因ってわけではないんですが、結婚には至りませんでした」
結婚の際、持ち家があると、早い段階でお互いの状況の擦り合わせが必要になります。ただ、特に30代後半以降の結婚なら仕事や親、子どもを持つかどうかなど、いろいろと調整すべき案件があるので、家はあくまでそのうちのひとつに過ぎないのかもしれません。
松本「家も家族も人生の一部なので、私は隠さずに最初にいってしまう派です。それで条件が合わなければそれまでですし。購入した家を中心に家族みんなで幸せに暮らせているので、私はこの生活に満足していますよ」
松本さんは、29歳という若さでお父さまを亡くされ、住宅購入というかたちで家族の基盤を作られました。これは他人事ではなく、誰しもがいつかは何らかの方法で親をサポートする必要がでてきます。また、自分自身も将来、体を壊して長距離を動けなくなる可能性もあります。親に何かあったときにどうケアするのか。また、自分をケアしてくれる人は周囲に居るのか。住まいを購入する際は、そんなことも考慮しながら場所を決めるとよいのかもしれません。
最初は家族のために、女ひとりの住宅購入を決められた松本さん。現在は同居するお母さまと、近くに住む弟さん家族が、頼もしい支えになっているようでした。
(蜂谷智子)