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女子教育を軽んじる日本の政治家 男子教育よりも女子教育の優先順位が高い理由

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日本社会は女子教育の重要性に対する認識が薄く、そのため女子教育政策が政策アジェンダに乗りづらい・乗ったとしても見当違いになりがちな国の一つです。例えば、この1年間だけを振り返っても、鹿児島県知事の伊藤祐一郎氏が「女性にとっては三角関数よりも世の中の草花の方が将来、人生設計において有益になるかもしれない」という趣旨の発言をしたり、自民党・衆議院議員の赤枝恒雄氏が「親に言われて仕方なく進学しても女の子はキャバクラに行く」という趣旨の発言をしたりしています。もちろんこれは、能力以外の要素がボトルネックになって教育機会が阻害されないように環境を整備しなければならないという、人権の側面から考えても問題のある発言ですが、重大な事実誤認も含まれています。そこで今回は、教育政策の優先順位と戦略を考える上で考慮しておくべきことと併せて、女子教育の重要性を考えたいと思います。

その前に前回のおさらいをしましょう。前回は女性に関する教育問題を考えていくにあたって、その基本として、教育政策には人権を行使できる環境を整えることを目的とした「人権アプローチ」と、教育を受けることで得られるメリットを考え、経済発展や貧困削減を目的とした「経済アプローチ」があることを紹介しました。

そして、経済アプローチを採用する利点として、「私的収益(教育投資によって個人が受け取るリターン)」「社会的収益(教育投資によって社会が受け取るリターン)」の二種類のメリットを踏まえることで、教育政策の優先順位と戦略を考えることができるようになることもお話ししました。詳しくは前回記事を参照してください。

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畠山勝太

ミシガン州立大学博士課程在籍、専攻は教育政策・教育経済学。ネパールの教育支援をするNPO法人サルタックの理事も務める。2008年に世界銀行へ入行し、人的資本分野のデータ整備とジェンダー制度政策分析に従事。2011年に国連児童基金へ転職、ジンバブエ事務所・本部(NY)・マラウイ事務所で勤務し、教育政策・計画・調査・統計分野の支援に携わった。東京大学教育学部・神戸大学国際協力研究科(経済学修士)卒、1985年岐阜県生まれ。

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