社会

いちいち「女性の活躍を応援」しないで、人間として扱ってください。白紙になった総務省「ICT48」

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 一方で、必ずしも「13~24歳の、写真審査を通過する容姿の女性48人」を集めることが、「男目線」でしか考えられていない、とも言えないのかもしれない。というのも、ICT48がAKBのような男ウケアイドル集団ではなく、ティーン向けのファッション雑誌に登場する読者モデルのような立ち位置になり、10代の女生徒たちから羨望のまなざしを受け、「憧れ」を原動力にICT分野に興味を抱いた若い少女たちのICT産業への就業意欲が底上げされる、という楽観的な未来予想図も描けないことはないからだ。同プロジェクトの「IT業界へ就業する若手女性の増加を目指す」という目的からは逸脱していない、と見ることもできる。

 しかし、「女性の就業数が少ない」という問題を解決したいなら、「地味じゃないよ! 可愛いよ! 楽しいお仕事です!」という(バイト情報誌のような)アプローチをすべきでないことは明白だ。24歳までという若すぎる年代の「ICT女子」を取り上げるのではなく、30代、40代、50代で活躍中の有能な女性たちをロールモデルとして見せることのほうが、よほど興味を持たせることができるだろう。

 この件に限らず、「若い女の子」という存在はバカにされすぎである。夏の参院選から選挙年齢が18歳以上に引き下げられることを受け、5月に自民党が発表したパンフレット『国に届け』しかり。『国に届け』冒頭に収録されているマンガ「軽いノリじゃダメですか?」は、女子高生のアスカが主人公だ。好意を寄せる生徒会長で「イケメンで女子にモテモテでツンデレ、政治問題にも関心を持つ意識高い系」の朝倉くんに、勇気を出して「さんいんナントカって私も行けるんだっけ!?」と質問し、「親にでも聞いてみろバーカ」と返される。アスカは自分で選挙候補者のHPを調べ、朝倉くんと一緒に投票に行く。これだけの短いストーリーだが、恋愛にしか興味がなく物事を深く考えることができないおバカでドジな女子高生の描かれ方にがっかりさせられる。

 女はメカやコンピュータ、科学、歴史、政治、経済などの“重要事項”には興味を示さない。女の好きなものは恋愛(男からもたらされる)、お金(男からもたらされる)、美容(恋愛とお金を男からもたらされるため)、スイーツ、イケメン。まるで決まりごとかのように、これらが「女子向けコンテンツ」として繰り返し量産される。女にバカでいてもらわなければ困るかのように。口では「活躍しろ(=低賃金で働き子供を産め)」と言いながら、本当に「活躍」されては嫌なのだ。

 もういちいちカネと人を投じて「女性の活躍を応援」するプロジェクトなど立ち上げなくてよいから、女性を男性と同じ人間として評価することは出来ないのだろうか。

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ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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