――住人の質は、特に新築では、買う段階ではなかなか見えてこないので、判断が難しそうです。マンションのブランドと長期的な管理は、関連がありますか? ある程度のネームバリューがあれば安心ということなら、分かりやすいのですが。
長嶋「今後はマンションのブランドネームと、資産性が維持されるかどうかは、あまり関係がなくなってくると思います。たとえば今までは大手のマンションなら安心というようなムードがあったかもしれませんが、これからは物件それぞれの個性や、管理組合の運営状況がチェックポイントとなるでしょう。
一般の人が建物を所有する歴史は、さかのぼってもせいぜい50年ほど。今までの購入者は、住宅の価値について関連業者のいうことを鵜呑みにしていた部分が多分にあったのかもしれません。最近は、さくら事務所の行っているホームインスペクション(住宅診断)事業も世に知られるようになり、住宅の価値は立地に加えて建物の堅牢さや管理のよさなど、より本質的な部分と連動して測られるようなるでしょう。
住まいの本質的な価値をどう見抜くのか? 自分が無理せず購入できる範囲で、最大の価値ある物件を得るにはどうしたらよいのか? 「女ひとり、家を買う」では、読者モニターの方と一緒にその答えを探していきます。
(蜂谷智子)