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夫のための料理が苦痛な結婚20年め、「親の顔を立てて」と退職要求の婚約者…結婚とは何か? を問いかける

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Photo by freestocks.org from Flickr

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 愛する人との結婚……ゴールインの瞬間は「これほど幸せなことはない!」と思うが、ここから一緒に暮らしていくなかで、さまざまな問題が発生する。特に女性は未だに多くが姓を変えるという不自由を強いられる(それを喜びと感じる女性もいるだろうが)うえ、ときに婚家から人権無視と言っていいほどの要求を突きつけられることがある。また結婚後は共働きであろうと『家事育児は(主に)女の仕事』という概念がまだまだ強く、家庭内でなんとか分担しようとしても社会がそれを許さないというジレンマもある。結婚は女性にとって“自分とは一体なんなのか”という根源的な問題を問いかけるイベントでもある。……いや、一時的な催しではなく生活そのものなのだが。今回は、結婚20年夫婦の妻が立てたトピと、婚約したての女性が立てたトピの2本を並べてみたい。

「もう夫の為に料理をしたくない」

 トピ主(女性・年齢不明)は結婚して20年になる夫と、子ども2人で暮らす4人家族の主婦。長年生活を共にしてきた夫に対して、今このタイミングで、こう感じている。

「今まで夫の食の我儘には我慢をしてきました。流して諦めてきました。でも今日と言う今日はキレてしまいました。もう夫の為に料理を作りたくありません」

 学生の頃から家族の夕食を作っていたというトピ主の料理歴は長く、一通りのものは作れるし料理の腕にそれなりに自信もある。また「味が薄いからと出来た煮物に醤油をかけるとか、苦手な野菜は除いて食べるとか、そういう事をされても構いません」と、各々のこだわりで食べる際にアレンジをしても構わないというスタンスだ。それなのに、20年もの間やっていたことを、もう無理だというトピ主。何があったのか!?

 トピ主はまだ本題に入らず続ける。

「しかし、中華風調味料で味付けした炒め物に、ケチャップかけるって、あり得ないと思いませんか? それはもう『別の料理』になってしまうと思うのです。塩コショウした目玉焼きにケチャップをかける位ならいいんです。天ぷらに天つゆを添えて出している状態で、ウスターソースをかけて食す。これも許容範囲です。天ぷらは天ぷらですから。
でも、マヨネーズ味のマカロニサラダにケチャップを足し混ぜて食べる。これはもう別の料理に変えてますよね。私はこれがどうしても納得出来ず、止めて欲しいと伝え続け、でも止めてくれず。ずっと我慢してきました」

 味をバシッと決めてる料理に、強めの味を足すことが許せないようだ。夫はどうもこのトピ主の価値観に沿わない味のアレンジを施してしまったらしい。そのきっかけは『とんぺい焼き』だ。

 この日、トピ主はとんぺい焼きを作った。夫はお好み焼きが大好物だが野菜の高騰でなかなかそれを作ってあげられない。しかしタイミングよくキャベツが手に入った、よしこれで、とんぺい焼きを作ろう……。少し前に一緒に行った居酒屋で食べて美味しかったし、夫もそれを食べていた。キャベツと豚肉を卵で上手く包めて、皿に盛って、いざ食卓でお好み焼きソースをかけようとした。ところが……!!!!!

「ソースかけないで! それ嫌いだから。ケチャップかけて食べるから俺の分だけ分けて」

 と言われてしまった。

 え!? と思ったトピ主。「これは『とんぺい焼き』だよ」と説明。しかし夫はそのとんぺい焼きにケチャップをかけて食べると譲らない。トピ主は何だか馬鹿馬鹿しくなり、「お好きにどうぞ」と告げて、その場を去り自室に籠った。

 夫はトピ主を追いかけてきたのだが「悪かったよ、嫌な言い方して」と“言い方”について謝罪してきた。ズレてるし! とまたトピ主はがっかり。結局夫は、とんぺい焼きではなく「オムレツ」にしてそれを食べた様子。一方、子ども達は「とんぺい焼き」美味しかったと喜んでくれた。

「もし、過去の数々の料理変化(ケチャップ味)事件がなかったとしたら。
もし居酒屋で『俺、とんぺい焼き嫌いなんだ』と言ってくれていたとしたら。
もし夫の好物がそもそもお好み焼きじゃなかったとしたら。
恐らく私は今日のことでキレなかったと思います。きっと『ケチャップかけてどうぞ~』と快く取り分けていたことでしょう」

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ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

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