社会

頻発した大学生の集団暴行 東大生集団わいせつ事件に見るエリート意識と思い上がり

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新潮45 2016年 11 月号

新潮45 2016年 11 月号

 今年は大学生らによる集団暴行事件や騒動が立て続けに報じられた一年だった。5月の東大生集団わいせつ事件、9月~10月の慶應大学集団暴行疑惑、11月の千葉大学医学部集団暴行事件。学生らは一様に、女性に酒を大量に飲ませてわいせつ行為や強姦行為に及んでいた。これらの事件が世間の耳目を集めたのには理由がある。いずれも日本において一流として知られる大学の学生たちが起こした事件であることだ。千葉大学医学部も偏差値70を超える超難関。順当にいけばスーパーエリート街道を歩むはずだった彼らは一体何を見誤ったのか。

 5月に発生した東大生集団わいせつ事件は同大に通う院生、学部生ら5人が、女性を酔わせてセックスする目的で立ち上げたサークル「誕生日研究会」の飲み会で起こした事件だった。慶應大学集団暴行については9月に「週刊新潮」(新潮社)が被害女性の告発を掲載したことで明るみになった。「ミス慶應コンテスト」を主催する「慶應大学広告学研究会」の学生らによる飲酒暴行疑惑で、女性は学生らにテキーラを何杯も飲まされて酩酊状態になっていたという。11月に逮捕が報じられたことで公になった千葉大医学部集団暴行事件は、医学部生3人と彼らを指導する立場である研修医らが飲食店で女性を酒に酔わせ店内の死角で集団強姦行為に及び、その後共犯の部屋に場所を変え、再度姦淫したという事件である。

 これらの事件の中で、東大生集団わいせつ事件だけひとつ異なるところがある。彼らは被害女性を<強姦>していない。女性は逃げ、警察に助けを求めたからだ。池袋で開催された「誕生日研究会」の一次会では、被害者の胸を揉む、ブラを取る、胸を揚げパスタでつつく、などの行為に及んだうえ、巣鴨にある共犯の自宅で引き続き行われた二次会では、被害者を全裸にしたうえ、背中を叩き、仰向けにしてその上にまたがりキスをし、さらにその体勢でカップラーメンを食べ、汁や麺を被害女性の胸にかけ、ドライヤーの風を淫部にあて、肛門を箸でつついた。これらの犯行態様からは、性欲にまかせたわいせつ事案というよりも、女性をモノ扱いしている姿勢が見て取れる。その場の空気を盛り上げるために女性をオモチャにしたのだ。

 筆者はこの東大生らの事件を取材し『新潮45』(新潮社)2016年11月号に「東大生集団わいせつ事件 『頭の悪い女子大生は性的対象』という人間の屑たち」という記事を寄せたが、公判取材や周辺への取材から見えてきたのは、彼らの根底にある選民意識だった。

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