ライフ

トラブルの火種となる煩雑な国際結婚の手続き。経済活動以外のグローバル化の議論が必須。

【この記事のキーワード】
Photo by Sean MacEntee from Flickr

Photo by Sean MacEntee from Flickr

 昨年、エクアドル人の夫と結婚をしました。この頃は国際結婚をしたカップルをメディアでも見かける機会が増えてきたように思いますが、厚生労働省のデータによれば、全婚姻件数に占める<一方が外国人である婚姻件数>の構成割合は、2013年以降横ばいで3.3%と、それほど増えているわけではありません。一方、このデータは、私のように国外で日本人以外の人と結婚しているようなケースは含まれていないため、日本人の婚姻に占める国際結婚の比率が増えている可能性は十分にあります。

 世の中では、グローバリゼーションだのなんだのと言われていますが、人の移動に関して、各国の制度はいまだにグローバル対応しているとは言い難い状況だと、夫と結婚する際に実感しました。

 国際結婚の手続きは日本に住む日本人同士の結婚よりも複雑です。私たち夫婦も含めて、国際結婚の一番のハードルは、各国の婚姻制度が異なること、そして各国の移民に対する考え方が異なることです。

 私たちの場合、夫はエクアドル、妻は日本出身で、ともにアメリカに在住しています。「外国人同士が外国で結婚する」という状況での婚姻手続きは非常に煩雑なものでした。永住権や市民権を持たない、違う国同士の二人の婚姻がアメリカで認められるには、本国で婚姻が証明されていなければなりません。つまり、夫の婚姻はエクアドルで、私の婚姻は日本で政府の認証が必要なのです。

 ところが、エクアドルには周辺国からの偽装結婚による移民問題があり、外国人は90日以上滞在しなければエクアドル人と現地で入籍することができません。これは「ビザなし滞在での入籍はできない」、つまり不法移民や登録の無い外国人はエクアドルでは結婚できないということを意味します。

 また日本での外国人との婚姻には「領事館で結婚する方法(外交結婚)」と日本の区役所に婚姻届を提出する一般的な婚姻の二つがあります。どちらを選ぶかで必要なものが変わってくるのですが、そもそも何から手を付ければいいのかを知らない素人にとっては、非常にわかりにくいシステムです。エクアドル大使館、法務省、区役所に問い合わせても、「どの方法が一番簡単か」を教えてくれるわけでもなく、エクアドルでも日本でも「相手国の機関に問い合わせてください」と回答されたときには絶望的な気分になりました。

 また、エクアドル領事館での外交結婚を選ぶには「スペイン語もしくは英語ができる証人が妻と夫とでそれぞれ二人ずつ必要」という条件がありました。日本在住で英語かスペイン語が話せる知人の数が限られている上に、合計6人ものスケジュールを合わせるのは不可能だったので断念しました。

1 2 3

古谷有希子

ジョージメイソン大学社会学研究科 博士課程。大学院修了後、ビジネスコーチとして日本でマネジメントコンサルティングに従事したのち、渡米。公共政策大学院、シンクタンクでのインターンなどを経て、現在は日本・アメリカで高校生・若者の就職問題の研究に従事する傍ら、NPOへのアドバイザリーも行う。社会政策、教育政策、教育のグローバリゼーションを専門とする。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

[PR]
[PR]
外国人と結婚したい!国際結婚ガイドブック