いわく、あるドラマの有名ディレクターが撮影中にモニターをろくに見ず、競馬新聞を読んでいた現場を見ていたのがきっかけだという。助監督に「OKですか?」と聞かれ、ろくに把握していないものにOKを出すという姿にショックを受け、そこにいたらダメになると感じてテレビから遠ざかったようだ。窪塚の演技力はテレビドラマの世界でも評価が高くファンは多かったが、ずるずる栄光にしがみつかず、キッパリと決別。もちろん2004年といえば、自宅マンションの9階から飛び降りるという大事件の年でもあった。これによりテレビ側も彼と距離を置いた、という側面はあっただろう。奇跡的な回復を遂げた後、環境イベント「アースデイ東京」で大麻は有益だと訴え、ワイドショーで取り上げられたことも、問題視された。
そんなタブーとも思える話題について、窪塚は自らジョークにしていたと吉田は語っている。例えば、ハリウッドに進出してもニューヨークに移住などをしない窪塚に「浮かれないタイプ」かと吉田が質問した際には、窪塚が「以前浮かれてて高いところから落っこちたから」と鋭い落下ギャグを披露したとか。
さらに窪塚は自身が忘れっぽいことを語ったのちに、「べつにクスリをやってるとかじゃないです」とドラッグジョークを飛ばしたという。こういったギャグを自分から入れてくるおおらかさを吉田は「シャレっ気が凄い」「とにかく超カッコいい」「(インタビューが)終わった後に『かっけー!』って言いたくなる」と褒めた。大勢の芸能人、そして奇人変人をインタビューしてきた吉田豪にここまで感激させるのは、やはり窪塚の魅力がなせるわざだろう。
テレビから離れレゲエ歌手卍-LINEとしてのライブ活動を中心に据えている窪塚だが、『沈黙-サイレンス-』での好演が主要スタッフたちから認められ、すでにハリウッド作品第二弾スローン・ウーレン監督『Rita Hayworth with a Hand Grenade(仮訳邦題:リタ・ヘイワースと手榴弾)』の出演も決定。さらに第三弾としてハリウッド作品での主演も決定しているという。本格的に海外での役者人生がリスタートしそうだ。
(ボンゾ)
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