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アメリカの100人にひとりが「ノー!」と言った日 トランプが手放した未来の有権者

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 ドナルド・トランプ新大統領の就任式の翌日1月21日に、世界中で女性による抗議マーチ「ウィメンズ・マーチ」が繰り広げられた。主宰者によると計57カ国、アメリカ国内ではなんと約600カ所 で行われたとのこと。日本でも日本在住のアメリカ人女性が中心となり、一足早い20日に東京と大阪の2カ所で行われ、数百人がマーチした。

※主催団体のHPでは開催されたマーチや参加者の数が計測されている。数値は現在も変動中だ。https://www.womensmarch.com/sisters

 このマーチは、昨年11月4日の大統領選でトランプ候補が勝った翌日に即、企画された。開催場所はアメリカの首都であり、就任式が行われるワシントンD.C.。全米の多くの女性が「当日はD.C.に駆け付けて参加する」と声を上げ、同時に各主要都市での開催も次々と決まった。

 アンチ・トランプ派は男性にも多くいるにもかかわらず、なぜ女性のマーチなのかというと、トランプの言動があまりにも女性へのヘイトに満ちみちているからだ。特にリークされた音声テープのインパクトは凄まじかった。2005年、ソープオペラ(昼間にオンエアされる女性向け愛憎メロドラマ)の撮影現場に、芸能番組の司会者と共にバスで向っていたトランプが、ある女性にアプローチした際の“武勇伝”を語っており、なぜか録音されていたそのテープが選挙前に公開されたのだった。

「オレはビッチみたいに彼女に近づいたが、彼女は結婚していたから無理だった」
「デカイ偽物のパイオツだった」
「オレは自然に美人を引き寄せるんだ。磁石みたいなもんだ」
「女は相手がスターならなんでもさせるんだ」
「プッシー(女性器)をわし掴みにするんだよ。なんだって出来るんだ」

 この会話がなされた時、トランプは今やファーストレディのメラニー・トランプとすでに結婚していた。

 また選挙期間中、トランプはライバルのヒラリー・クリントンにも不当な女性差別発言を行った。政策討論をするべきディベートで、ヒラリーの発言中に「Nasty woman!」(嫌な女だ!)と口を挟み、女性たちの眉をしかめさせた。結局、このセリフはトランプを揶揄するフレーズとなり、「私は嫌な女よ。それで?」「嫌な女は闘い続ける」などトランプ批判のプラカードやTシャツに用いられるようになり、今回のマーチでも見掛けられた。カルマとはこのことである。

 予備選期間にも同じ共和党から出馬していた唯一の女性候補、カーリー・フィオリーナ(元ヒューレット・パッカードCEO)について、「あの顔を見ろよ! アレに誰か投票するのか? 次期大統領の顔だなんて想像も出来ないね!」と暴言を吐いている。言葉の酷さと共に、メディアの前でもまったく気にせずこうしたセリフを口にし続けるトランプの精神構造を疑う声も少なくない。

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堂本かおる

ニューヨーク在住のフリーランスライター。米国およびNYのブラックカルチャー、マイノリティ文化、移民、教育、犯罪など社会事情専門。

サイト:http://www.nybct.com/

ブログ:ハーレム・ジャーナル

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