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「撮れ高」を異様に気にすると、発砲も気にならず、カタツムリも生で食べられる? 冒険番組『地球一周するなんて(笑)』に漂っていた異様な空気

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『陸海空 地球一周するなんて(笑) アマゾンから突入SP』公式サイトより

『陸海空 地球一周するなんて(笑) アマゾンから突入SP』公式サイトより

「生のカタツムリを食べると死の危険がある」

最近、こんなツイートを見かけた人もいるのではないだろうか。これはテレビ朝日系で放送された特別番組『陸海空 地球一周するなんて(笑) アマゾンから突入SP』に端を発している。

番組の出演者は、お笑いコンビのU字工事と昆虫に詳しい大学生・篠原祐太の三人。彼らと番組ディレクターが、アマゾンの奥地にあり、冒険家たちですら行ったことのない秘境「コス村」を目指すというものだ。

コス村は「元は人食い部族だ」「やめたほうがいい」「事情のわかる人がいないと危ない」と周辺の町や村の人達ですら危険視するような場所だ。スタッフたちは地元の警察に許可を取り、「食べ物を勧められたら食べる」「常に笑顔でいること」という忠告を受け、現地の若者や村の出身者をスカウトし、簡素な船で川を上る。

しかし川を数時間上ったところで異変が起こる。クルーを侵略者と判断したコス村のアワフン族が、停止するよう警告してもすぐに止まらなかった船に向けて槍を投げ、さらには発砲してきたのだ。先に着いた仲間の何人かはアワフン族に拘束された。U字工事たちも船の上で足止めされ、その間にも酔っぱらったアワフン族の人達に発砲されながら一夜を過ごした。結局クルーの船に仲間として乗っていたアワフン族の一人の母親が、息子が危険に晒されたことに怒り、アワフン族の男たちを説得して事なきを得た。

拘束されたガイドと現地の人は、「手が震えた」「このまま続けるのか?」と本音を漏らすも、ディレクターに取材を断念するという考えはない。そもそもこのディレクターは、こうした事態に対してポジティブすぎて、事の重大さにまったく気づいていなかったようだ。旅の記録を綴った日記には、「ドラクエみたい」「ジャングルクルーズみたい」と呑気な言葉が並び、二言目には「尺は足りているのか」と出演者やスタッフではなく番組のことを心配している。その上、発砲事件があった後ですら「まだ何もできていない。悔しくて眠れない」と、命の危険を前にしても撤退は頭になかったのだ。その後も、陸路で村を目指す道中に別のディレクターが足を痛めクルーを離れるなどトラブルが続出するが、ロケが終わることはない。

そして、カタツムリ事件が起きる。

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