母となった国連大使アン・ハサウェイ
ニューヨークの国連本部では、エマ・ワトソンと同様に国連親善大使でもある女優アン・ハサウェイが深紅のドレスを纏ってスピーチを行った。昨年、第一子を生んだばかりのハサウェイは、アメリカが「世界の高所得国の中で唯一、有給の産休制度が無い」ことを語った。
無給なら12週間の産休が取得できるが、3カ月も収入が無くなると生活が苦しくなるため2週間程度しか休めない女性も少なくない。ハサウェイは有給の産休システムが家庭への経済支援になるだけでなく、親子の触れ合いを増やすとも語った。また、男性の育児参加にも触れた。
このスピーチに関するインタビューで、ハサウェイは女性ばかり8人が主役を務める大作映画『Ocean’s Eight』(2018)の撮影について述べている。8人のうちハサウェイを含む4人が母親であるため、リーダー役を演じるサンドラ・ブロックの提案により、撮影現場に子どもを連れてきてもよいことにしたとのこと。
ハリウッドのトップ女優たちゆえ、もちろんナニー(専門職のベビーシッター)を雇い、撮影現場では保育部屋なり、トレイラーなりを映画会社に要求することも可能だっただろう。一般人とはかけ離れた境遇だ。しかし、セレブのこうした行動が一般社会にも徐々に影響を与えていくことをハサウェイは願っているのだ。
恐れ知らずの少女像
マンハッタンのウォールストリートに「突進する雄牛」”Charging Bull”と呼ばれる銅像がある。ニューヨークが世界の金融の中心であることを表すもので観光名所となっている。今年の国際女性デイの数日前、この雄牛の正面に突如として少女の像が表れた。両手を腰に当て、脚を踏ん張り、スカートとポニーテールが風に揺れている。少女の顔に、今にも襲いかからんとする体勢の巨大な牛への恐怖はみじんも無い。像は「恐れ知らずの少女」”Fearless Girl”と名付けられている。
少女像は国際女性デイのためにある投資会社が設置したもので、作者は女性彫刻家のクリステン・ビスバル。製作過程がYouTubeで公開されている。当初、1週間のみの期間限定設置のはずだったが多くのニューヨーカーが永久設置を願い、オンライン署名が続いている。状況を鑑み、市長はとりあえず4月2日までの設置延長許可を出したが、さて、その後はどうなるのだろうか。願わくば、永久設置となりますように。