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「素敵なお母さん」になるために育児書に従うやり方は、赤ちゃんにとって快適なんだろうか

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(C)messy

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先日、本屋に立ち寄った時のこと。育児系の本が並ぶコーナーに目をやると、

「赤ちゃんの気持ちが分かる本」
「赤ちゃんが泣く本当の理由」

こんなタイトルの書籍がズラっと並んでいた。

このテーマってこんなにも需要あるんだろうかとびっくりするほど、種類の多さに驚いたが、これらの本の内容が科学的根拠に基づいたものか否かは別として、このようなタイトルがまるで“神様の手助け”かのように思えてしまうほど、「母になる」ことは心細さの連続だ。

不安であるばかりに、宗教に頼ったり高額なお守り商品に手を出したり……というのと似ている気がする。

内容がどうであれ、このような類の本は、女性が「子を産む」限り、常に一定の需要が見込まれるネタなのかもしれない。

私もそうだったが、子供を産み育てるというのは誰しもが不安に苛まれるものだ。

ましてやそれが初めての子育てだったりすれば、現状(泣き止まない、寝ないなど)を打破するためのどんな小さな手がかりでも良いから欲しいと思ってしまう。

その精神的・肉体的負担のほとんどが実は「赤ちゃんが何を考えているかわからないから」発生しているから、上記のようなタイトルの本は、つい手にとりたくなるものだ。

当然のことだが、赤子は泣くことしかできない。

月齢が進んでいけば、少しは笑ったり怒ったりと感情表現(大人と同じような)が上手になってくるが、それでもやはり情緒は常に不安定で、言葉が話せないうちは基本は「泣いて訴える」という手段がメインだろう。

退院して最初の晩、私は本当に慌てふためいていた。泣き声は病院で何度も聞いていたものの、我が家に帰ってきてからの(しかも夜中)泣き声はやけに爆音に聞こえ、まるでサイレンのような物々しさがあり、一瞬一瞬が緊急事態。「今すぐ何とかしなきゃ」と、消火活動でもするかのように常に身も心もバタバタしていた。

それから赤子との生活を共にする中で、「泣き声」にも耳が慣れ、ただ泣いただけでは特に緊急性を感じなくなってきた。

どの母親でもある程度はそうなってくるのだと思うが、赤子とはとにかく日常的に泣く。少し空腹を感じただけでもこの世の終わりかの如く、泣く。月齢が進むごとに個性が出てくるだろうが、ある程度、自分の子の「パターン」が分かってくると、いちいち慌てなくて大丈夫になるのだ。

赤子がなかなか寝ずに手をこまねいてる親も多いだろうが、これもまた月齢が進むと個性が出てくるもので、一瞬で寝付くが何度も起きる子や、寝付くまでが大変だが一度寝たらしばらく起きない子……また、入眠パターンもそれぞれで、一括りに「こうすれば寝る」という方法はないに等しいだろう。

私の息子(現在生後9カ月)が日常的に「泣く」理由と思われる主な項目は、「空腹」「眠い」「何か気に食わない」などオーソドックスなものだが、うんこをすると機嫌がよくなり、オムツから漏れてしまうぐらいの状態になるとキャッキャッとはしゃぎ出しテンションが上昇する。いきなり機嫌がよくなったと思ったら「あ、うんこ出たんだな」と思ってもほぼ間違いないほど。

育児雑誌などによると「オムツが気持ち悪くて泣く」というのは一般的であるが、我が息子は違った。しかも、オムツを替えて綺麗にお尻を拭いて、漏らして汚した服を着替えさせすっきりさせると、たちまち機嫌が悪くなり大泣き……というパターンもよくあり、一般論なんてアテにならないよなぁ、とつくづく感じていた。

また、抱っこをすると大概、自分の動きを制約されてるのが気に入らないのかグズグズになり、身体をそらして逃げたがる。抱っこの手を離して自由にさせると好きな方向にキャッキャ言いながら向かって、遊びながら私たち親を見て嬉しそうに笑う。

育児系雑誌などには「赤ちゃんはみんな、抱っこが大好きです♪」みたいな書かれ方をしてるが、それも当てはまらないものだなあと思う。

入眠もあまり上手なほうではなく、子守唄もトントンも効かないし、抱っこすれば余計動きたがるので逆効果。ひとりで寝室中をめいっぱい動き回って、疲れてコテンと尽きて眠るのがパターンだ。

他の家庭のやり方は知らないが(やり方以前に子供の性質は皆違うし)、我が家はこんな感じで何とかスムーズに子育てをすることができている。つまり、一般的な育児雑誌に載っているような「やり方」は、私にはまったくと言っていいほど役に立たなかった。

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小出 愛

1981年生まれ、学生時代から10年以上スポーツ一本、卒業後はスポーツトレーナーとして第一線を志すも、いろいろあってパチ屋店員に。そこで旦那と出会い、結婚、2016年に第一子出産。プロレスは知らないけど猪木が好き。ママ友ヒエラルキーには入りません。

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