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「素敵なお母さん」になるために育児書に従うやり方は、赤ちゃんにとって快適なんだろうか

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育児本では「お母さんに抱っこされてねんね」がデフォルト的に描かれている。

Kさん自身が子育てしていた時期も、そうだったのだろう。子どもを自由に遊ばせることをイコール放置している、と捉えてしまうのだろうか。

でも息子はそれで好きなように遊び機嫌よく入眠できる。逆に抱っこなんてしてたら息子もイライラしたまま次第に泣き出して、それでも1時間も2時間も「根気よく頑張る」だなんて、誰のために何のためにその行いを「善」としているのだろう?
親(私)にとっても息子にとっても、何のメリットもない……。

 

Kさんだけじゃない。育児について、子どもの反応や意思とは無関係に、母親がいかに手をかけ、自分を犠牲にして根気よく尽くすかに焦点を当てていないだろうか。

もっと親子双方にとって合理的な方法はあるのに、赤ちゃんの望むようにすれば親もラクになれる場面はあるはずなのに、わざわざ苦行を選ぶなんて意味がない。育児論が、母親がどれだけ頑張れるか、の精神論にすり変わってしまっている。

 

私は母親としてはまだまだ未熟の新米なのだから、こんなことを言えばフルボッコにされるかもしれないが、子を育てるということは、何より「子を見る」ことだ、と私は思っている。

息子がお世話になっている家庭福祉員のEさん(保育ママ)は、「〇〇ちゃん(息子)はほんと、類を見ないくらい寝ないのよ~だから私も放っておくの。そうするといつの間にか満足して寝るのよね(笑)」といつも笑って話している。息子の月齢が低かった頃、まだあれこれ心配だらけだった私が「これでいいのか、合ってるのか」と連絡帳に書くと、Eさんは「正解なんてないのよ。これから育ててくのはお母さんなんだから、長い目でお母さんに合ったやり方すれば良いんじゃない?」とあっけらかんとした調子で声をかけてくれた。

それにこうも言った。

「赤ちゃんなんて、大人が呟くようなレベルのことが“泣く”になるだけなの。それにいちいち何を考えてるかなんて分かるわけないのよ。お母さんの直感でいいんじゃない?」

Eさんのおかげで、子供は皆違うこと、息子にも個性があってその個性は笑いながら見守っていけるレベルのことだということを知ったし、子が「泣く」ということが怖くなくなった。

それに「育児する当事者」は私であり、その私が心身共に健康であること、余裕を持っていられることが大切なのだということも教えられた。

母親としてのスタートを切るタイミングでEさんのような人に出会えたこと、そういう人と一緒に息子を育ててこれたことはとてもラッキーだったし、おかげで以降、母親として歩む中で世間の「デフォルト育児」に惑わされることもなくなった。

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小出 愛

1981年生まれ、学生時代から10年以上スポーツ一本、卒業後はスポーツトレーナーとして第一線を志すも、いろいろあってパチ屋店員に。そこで旦那と出会い、結婚、2016年に第一子出産。プロレスは知らないけど猪木が好き。ママ友ヒエラルキーには入りません。

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