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恋愛の「心理作戦」に意味はあるか? 期待通りの反応を求める傲慢な暴力性

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わたしたちは愛についてよく知らない

わたしたちは愛についてよく知らない

いわゆる“好きな人”や“気になる人”ができたなら、相手に近づいて仲良くなって、できることなら恋愛関係に発展したい。両想いまで話を持ち込むべく、まずは相手との接点を持ち(友人を介するとか、自分から話しかけるとか)、LINEしたり遊びに行ったりして、お互いを知り相手との距離を縮めていく。スムーズにいけば言うことなしだが、イマイチ手応えを感じない、どうしよう、という心境に陥るケースは数多ある。でも自分は相手を好きだし、何かうまい方法ないかなぁ~。そんな時、ついネットに氾濫する恋愛アドバイス記事を検索して読みたくなるのではないだろうか。

今回気になったのは、<「その一目惚れは両想いかも?」をテーマに『踏み出せない恋』に踏み出すための一歩を支援する恋愛サービス ヒトメボ>の『「欠点アピール」「ケンカ」… 一発逆転を狙いたいときに使える意外なアプローチテク』

男性ライターが心理カウンセラーに「アプローチテク」を伺うという構成の同記事。流れからして、どうやら主に男性読者を想定しているようだ。

心理カウンセラーは「前後のギャップ差が大きいと、後からのものがより強く感じられる “コントラスト効果”という心理法則がある」として、「恋愛で多いのは『話してみたら面白い人だった』『意外と優しい人だった』など、始めはパッとしない印象から生まれたコントラスト効果です」とすすめる。そういえば“コントラスト効果”、大学で習った(心理学系の講義)。商品の勧誘などでは、このような効果を利用するんだとか。

具体的には、「普段の自分の印象と反対の振る舞いをする」ことを提案。どうやってギャップを演出するのかというと、まず、「自分が周りにどういう印象を持たれやすいのかリサーチしておいて」「普段自分が思われているものと反対の振る舞いでアプローチしてみましょう」。反対とは、たとえば「明るくて軽いなら、ちょっとまじめな話題を」「クールやまじめなら、ユーモアを」と。ただし「無理して全く違う自分を演じては空回ってしまいますから、あくまでも自分の中にある意外な一面、例えば“明るくて軽い自分の、まじめな部分”をアピールしてみるとコントラストが生まれますよ」とのこと……。リサーチするっていうのがまず手間だ。自分で考えるか、周囲の人間に聞いてみるのが手っ取り早いリサーチ法だが、自分が周囲に与えている印象を、自分で客観的に判断するのはそんなに簡単じゃない、と思う。じゃあ人に聞くのがよいかというと、相手が必ずしも正直に話すとは限らないし、キツイことを言われて自分が深い精神的ダメージを負う可能性もある。自分が「こう見せたい/こう見えているはず」と思っている自己像は、大抵、他者から見えている実像と距離があるものだ。

記事ではさらに「相手の欲求に気づいて満たしてあげること」を推奨。尊大で強気な態度の“オラオラ営業”するホストを好む女性もいる、SMの世界で虐げられることに愛を感じる人もいるといった例を挙げ、通常は片思いの相手を振り向かせたいとき「ホメ」のアプローチをするものだが、逆の「サゲ」アプローチが有効になることもあるのだと指南している。こ、これって、まさに、あの悪名高き「恋愛工学」のネグでは……?

男のモテテク「ネグ」は女性特有の「自己肯定感の低さ」を醸成する

最後のアドバイスが一番怖かった。「あえて怒りのエネルギーをぶつけてみる」というものだ。<怒りのエネルギーは本気さを感じさせるので、使いようによっては一発逆転のテクニックに成り得ます>とのこと。どうやってだよ、と疑問に思いながら読み進めていくと、例として、<デートの誘いに乗ってくれない女性>に対して<『なんでデートしてくれないんだよ! 俺はキミとデートがしたいんだ! キミの笑顔を見ながら飯を食えたらそれが最高なんだ、ちくしょう!』などと叫べたとしたら、相手は『まあ、一度くらいなら』という気になるかもしれません>。相手がその叫びにドン引きしない可能性は非常に低いが、0.01%くらい「一度くらいなら、となる確率」があるということだろうか。さらにこの方法について<相手を何よりも一番と示すことで、相手の心にある“認められたい”という欲求を満たしてあげることができます>とあるが、認められれば誰でもよいというものではない。人間は、自分が認めてほしい相手に認められたい。他の人に認められたって慰め程度にしかならなかったり、慰めにすらならないことだってある。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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