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「ポジティブに輝くキラキラ女子がモテる」は裏返せば女の女神化で自己犠牲促進メソッドである

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aichi_wezzy

わたしたちは愛についてよく知らない

キラキラ女子。

美人でかわいくて、おしゃれでセンスもいいし、誰に対してもいつも笑顔で分け隔てなく接し、男にモテるし女に好かれる、職場では先輩にも後輩にもウケがよくスキルも高いけど、彼氏には甘えん坊、でも彼氏に依存しているわけじゃなく束縛もせず、友達付き合いも大切だし、自分の趣味の時間も楽しかったり、超リア充。料理や掃除も得意、女子力高め……。

筆者がここ10年間、あらゆるネット媒体およびファッション雑誌内で目にした「キラキラ女子」の定義的な情報を総合すると、こんな感じになる。外見も内面も輝いていて恋も仕事も両立、美人でかわいいだけじゃなく、ほかの面でもことごとく輝いているのがキラキラ女子さん! のようで。恋愛記事においては当然のごとくキラキラ女子=モテる存在と認識されている。中には、キラキラ女子に対する世間の認識が美人、かわいいだけじゃない、ということを巧みに利用したのか、誰でも心がけ次第で変えられる(とみなされがちな)内面からキラキラ女子になってモテましょう! という記事もあったりする。

最近見たのが、小学館が運営する<オトコを楽しむための女性マガジン「Menjoy!」>掲載の『キラキラ女子に!「素敵な恋ができる良い人間」になるための3箇条』。

<恋をしていない時こそ、素敵な恋ができるよう基礎作りに精を出すべき! そうすればキラキラ輝くあなたに心惹かれる男性が現れるハズ!>と提案される「素敵な恋ができる良い人間」になるための3箇条というのが、なんとも普通の、小学校の道徳の授業で読まされるようなものだった。

1:悪口やグチを言わない

2:何事も根に持たない

3:人の良いところを見るようにする

はぁ(ため息)、来たな、やっぱりこうなるよね……と思った。ポジティブ推奨、ポジティブ啓発。もう見飽きた聞き飽きた。どういうわけか広く世間において、この3つ「悪口やグチを言わない」「何事も根に持たない」「人の良いところを見るようにする」は、たいそう素晴らしい人間性だとやたら絶賛される。親とか家族とか親戚とか保育士とか教師とか友達とか彼氏とかチームメイトとかコーチとか上司とか同僚という「人」、家庭とか学校とかチームとか職場などの「場所、あるいはコミュニティ」において、そうした存在は大変都合が良いため、「そうであれ」と言われる。ひいては国家にとっても、そうした人材は使い勝手がよいのだと思う。みんなさほど疑問に思わず、あらゆる「メディア(雑誌とかテレビとかネット)」でそうした人間性が「模範的な素晴らしいもの」として扱われていることに慣れてしまっているんじゃないだろうか。

もちろん、全員じゃない。断じて全員じゃないけど、少なくとも筆者は物心ついて以来ずーーーっっと、行く先々大抵の場所で「悪口やグチを言わない」「何事も根に持たない」「人の良いところを見るようにする」ができる人は素晴らしい人、できない人はダメ人間だと決めつけたり信じ込んだりしている人に遭遇して辟易した。いるだけなら「そういう価値観の人もいる」ってだけで済まされるが、その価値観を他者に押し付けたり、あるいはコミュニティ全体に根付かせようとする場合もあり、そのくせ「悪口やグチを言う人の悪口」ならなぜかOKだったりして、結局は異質な者を排除するリスクを含んだ、ちっとも素晴らしくない価値観だった。それでも「悪口やグチを言わない」「何事も根に持たない」「人の良いところを見るようにする」は、善い人間性の模範であるから、押しつけられてもイヤだと言いにくい。あたかも「愚痴っぽい私が悪いんだ」と思い込ませ、自己嫌悪に陥らせる作用も持つ。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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