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女の子と男の子にかけられた「呪い」と「解放」の違いを描いた『モアナと伝説の海』

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(C)2017 Disney. All Rights Reserved.

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ディズニーの新作『モアナと伝説の海』に、『マッド・マックス』な部分があると聞いて見に行きました。確かに、「行って帰ってくる」ところや、ココナツの海賊・カカモラとの戦闘シーンなどから『マッド・マックス』を思い出すところがありました。また、監督自身が言及しているように宮崎駿の影響も感じますし、女の子の抑圧と解放を描いている点は『アナと雪の女王』も思わせました。

物語は過去から始まります。全能の女神テ・フィティのハート(緑色の小さな石)が半神のマウイによって奪われ、南太平洋の島の平和が脅かされるようになっていました。島の人々はサンゴ礁の外には危険が待ち受けているから漁に出ては行けないと教えられ、1000年間それを守ってきました。しかし、事態はどんどん悪くなり、作物は不作、魚も獲れないいという飢饉に襲われてしまいます。

モアナはそんな島で育てられた海を愛する少女です。島の長である父親から、次の長になることを期待され育てられ、海に出ることを禁じられているモアナは、まるで城の中に幽閉されていたアナのようです。しかしモアナは、サンゴ礁の外には何があるのか知りたいという少女ゆえの好奇心だけでなく、いずれ島の長になるものとして、このまま島の危機を黙ってみていることに納得いかない思いを持っていました。そんな彼女の姿を見ていた祖母のタラは、死に際にモアナに女神テ・フィティのハートを託し、半神のマウイを探し出し、彼とともにハートを女神のもとに返しにいくよう勧めます。心配をしつつも何も言わずに彼女を見送る母と、祖母の魂がエイとなって、海に出る彼女を送り出しているように見えたシーンは、三世代の女性の連帯を見たようで、思わずほろっとしてしまいました。

モアナは決死の航海の末にマウイと出会うことになります。しかしこのマウイ、女神のハートを盗んで南太平洋の島々の人たちの生活を苦しめた張本人なのに、悪気がまったくなく、その上陽気で憎めないキャラクターです。

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西森路代

ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクショ ン、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、 TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

twitter:@mijiyooon

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