連載

「妊娠で退職、夫の手取りは月18万、暮らしていけません」貧困まっしぐら女性は自己責任か

【この記事のキーワード】
Photo by emifaulk from Flickr

Photo by emifaulk from Flickr

 

 バブル時代なんて本当にこの日本に存在したのかというくらい、現在の日本の経済状況は冷え切っている……と実感している消費者が多いのではないだろうか。非正規雇用の増加などにより貧困世帯が増加し、現在は子供のうち6人に1人が貧困状態にあるとして、この“子供の貧困”もメディアが頻繁に取り上げるようになった。小町にも、このままでは“子供の貧困”がまた一つ生まれてしまうというトピが上がっている。

「助けてください。このままでは生活ができません。」

 トピ主(女性・年齢不明・既婚)は、地方在住の妊婦。正社員で手取り15万円だったが、妊娠をきっかけに「小さな会社で今まで産休、育休を取得した人はいなかったので、退職する状況になりました」という。

 夫は調理師として働いているが、なぜか厚生年金には加入させてもらえず、おそらく個人事業主として国民年金と国民健康保険を手取りの18万円から支払っている。ボーナスはなく、年収は240万以下だ。

 これから出産して親子3人、年240万以下で生計を立てなければならないが、税金の支払いがとにかくキツイという。現在、国民健康保険と国民年金、住民税を2人分合わせ、毎月8~10万円を支払っている。市役所に相談したが、夫が厚生年金の加入者でないことから、無職でもトピ主の税金の免除はないと告げられたという。

「家賃4万円、光熱費2万(寒冷地で暖房代がかかる)、食費2万、税金10万。計18万円で夫の給料がなくなります。交通費、病院代、通信費、日用品のお金…すべてが赤字になっていきます。妊婦ですが、少しでも働きたいと面接に行きましたがすべて不採用でした。
貯金を切り崩していますが、あと数ヶ月、このままだと出産の費用も払えなくなります。生きていけません。
シングルではないので、食料支援も受けられません。誰か助けてください。何でもいいので情報をください」

 という切羽詰まったトピである。

 家計の計算が「保険と年金、住民税で8〜10万円」の支払いがあるという一方で「家賃4万円、光熱費2万、食費2万、税金10万」とあるので、ここの「税金10万」が「保険と年金と住民税」の合計なのかちょっとわかりづらいのが難点だが、まあそう仮定して考えてみよう……ってかこれ相当厳しくないですか!? シングルインカムで手取り月収の半分以上が税金に消えていく。この状況でなぜ正社員の立場を自ら手放したのか……トピ主、本当に理解不能だが、世渡りが下手な人間だっている。どうもトピ主は税についての情報やうまいこと家計をやりくりするための情報にリーチできていない感がある。

 少なくとも出産費用は、自治体から基本42万円の「出産育児一時金」が支給される。会社員だろうがパートだろうが専業主婦だろうが関係なく、何らかの健康保険に加入していれば受け取れるお金だ。母子手帳は妊娠判明後に市役所で申請して発行されるものだが、その際に窓口担当者がどれくらい補助が出るかなど説明してくれるはずだし、HPにも掲載されている。妊婦健診も補助券が出るし、自治体によっては低所得者向けの助成制度もある。年金も、経済的に苦しい時期は申請すれば支払いを先延ばしにすることができる。色々と調べればわかることは多いのだが、トピ主はどう調べたら良いのかわからないのだろうか。

 また、夫もなぜ勤務先が社会保険に加入させてくれないのかしっかりと問いただす必要があるだろう。特定の季節だけとか短期バイトとかではなく常時勤務しているのであれば、雇用者側に健康保険・厚生年金加入の義務が生じるはずだ。などなど色々言いたいことは多いが、コメントも同様で、皆さんあれこれと厳しいことを言いながらも役立つアドバイスをしてくれている。

「トピ主様に継続勤務の意思がありながら『前例が無いから』と解雇状態になったのであれば労働基準局(監督署)に相談して下さい。いずれにせよ『正社員』で雇用されていたのであれば雇用保険に入っていたはずなので、ハロワに行って失業保険需給の手続きに行って下さい」

「出産費用は事前に手続きをすればほとんどかかりません。細々としたものは必要ですけどね。今はフリマアプリとか譲ってくださいとかの掲示板もありますから、育児用品は大きいものや洋服は無料か格安で揃えられると思います。あとは役場の福祉課に相談してください」

「まず、妊婦健診でかかっている病院に相談してください。健診費用公費だと思うので、追加費用について考慮してもらえると思います。出産も、補助があったりすると思います。産科施設なら、そういう情報を持っていると思います。夫に、もっと条件の良い仕事を探してもらう。この際、どちらかの親と同居して、通える仕事や産院を探す。地元にフードバンクのようなものがないか調べる。社会福祉協議会などに相談する。そもそも、こういう状況になる事は分かっていたんだから、仕事辞めちゃいけなかったんです。これまでにこういう事例がなければ、一例目になればよかっただけです。産休は法律で保障された権利なんだから。辞める前に聞いて欲しかったですね」

「あなたがいた前の会社は雇用保険は入っていたのでしょうか? 入っていたなら雇用保険料が引かれていたはずですので、失業保険の手続きをしてください。待機期間はあれど少ないとは思いますが給付金がもらえます。入っていなければ、夫が社保完備の会社に転職することです。夫自身の給与から引かれる社会保険料はやや高いですが扶養になれば年金と健康保険料はあなたの分の負担はかからなくなります。それが無理なら、あなただけでも国民年金保険料の支払免除申請をすることです。年収によって保険料の免除があります。滞納するよりも申請免除状態にしておくことが重要です」

雇用保険ってスゴい! 失業から勉強、子育てまで応援してくれる前向きな制度

1 2

ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

20年後、子どもたちの貧困問題 (社会運動 No.426)