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「貯金できない」と何年も嘆き続けているアナタ、今やるべきことは一つ!! 最強の貯蓄は「先取り積立」です

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生き延びるためのマネー/川部紀子

生き延びるためのマネー/川部紀子

こんにちは!ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。先月、私の著書が発売されました。タイトルは『家計簿不要!お金がめぐる財布の使い方 財布の中に神棚を!』(永岡書店)。難しいお金の知識の本ではなく、お金との付き合い方や心構えについて一生懸命書きました。書籍の方も読んでみてくださいね。

さて、2017年も3分の1が終わろうとしていますが、皆さんお金は貯まりましたか? というのも、毎年恒例、新年の「今年の目標」のド定番といえば「痩せる」と「貯める」です。年始に「今年こそ!」と貯蓄を誓った方は多いのではないでしょうか。

今の段階で全く貯まっていない人、何のアクションも起こしていない人は、申し訳ありませんがおそらく年末までに何の変化も起こりません。貯まらないで来年を迎えることになるでしょう。

せっかく目標を決めたなら達成してほしいと思いますし、そんな目標を立てていない人でも、全く貯めないままで一生幸せに過ごすことができる人はあまりいないので、これを読んだことを機に貯蓄について考えてみてほしいと思います。

若いうちは貯めなくていい説について思うこと

若いうちは貯めることなんか考えなくていいとか、「自己投資」をしろ、などと言う大人は多いです。しかも、そう言うのは大概、強い影響力や発信力のある、成功した大人です。でも、私はそのことに少し怖さを感じます。

成功者の人生訓はとても興味深く、意義もあることなのですが、そんな大人の多くは年長者ですから、今の若い方よりも確実に良い時代に生まれ、育ち、老後を迎えます。もちろんご本人の努力や才覚あってこその成功ですが、教育投資を受けて高学歴を手にしており、そもそも親や家族もお金持ちだったりすることも。そこまでいかなくても、大手企業で高額な退職金を見込めるか、既に受け取っていて、退職後もなお稼げる人など、家計に不安のない方たちです。人は同じような階層に属する者同士で固まりますから、成功して「若いうちは自己投資を~」と語る方々のほとんどは、本当に貯めなきゃまずい人達の生活も生態も知らず、下手をすれば存在すら見たことがありません。ハッキリ言って、違う世界の人々と思っておいたほうが良いと思います。

そんなすごい人達の言うことに、意義がないとは思いませんが、「貯めること」をガン無視したり、嫌悪するのは反対です。

いきなり夢のないことを書きまくって申し訳ないと思う気持ちもあるのですが、やっぱり「貯める」から逃げ切れる人はほとんどいません。だったら、潔く諦めて「気持ち良く」貯めましょう。

「積立最強」伝説

生きる上で必要な消費はもちろん、時には浪費もあるでしょう、いずれは投資もしてほしいと思います。でも、最低限の貯める気持ちはベースにあるべきです。

では、貯め方ですが、自営業ではなくお給料で生きている方で、それなりに貯めているなぁ、と感じる方の大半は毎月コツコツ自動(天引きなど)で「積立」をされていた方です。その積立用のお金を引いた残りのお金で暮らしていることになります。いわゆる「先取り貯蓄」です。これはマネをしないテはありません。何もせずに金利が低いだの言っているヒマがあったら、さっさと積立を開始しましょう。

具体的には、まず、職場の総務課などに聞きましょう。「財形貯蓄や積立貯蓄に申し込みできますか?」と、このセリフでお願いします。いくつかの制度が出てくるかと思います。職場に何も制度がなかった場合のことは後半に書きますね。

<財形貯蓄>

(1)一般財形、(2)財形住宅、(3)財形年金と3種類あります。

本来、貯めたお金に利息がつくと、その利息の中から20%の税金が引かれてしまうのですが、(2)財形住宅であれば、住宅の購入やリフォームが目的で引き出す場合、一定額までは非課税です。(3)財形年金であれば、60歳以降に受け取るなら、一定額まで非課税です。貯める目的がハッキリしているなら(2)(3)を使えば良いでしょう。(1)一般財形は単なる貯蓄です。つまり利息の中から20%の税金が引かれます。

この段階で、「どれにすればいいの?」とか「面倒くさい」と感じた方はどれでもいいからやってください。(2)(3)で住宅や年金以外の目的で引き出した時は、結局(1)と同じです。

<積立貯蓄>

前述の一般財形のようなもの。一般財形と比べて金利の高い方にするのが一般的です。

今は低金利であまり差がない可能性があります。その場合、簡単に引き出しづらい方を選ぶのがオススメです。貯まらない理由は簡単で、「引き出して使うから」です。くだらないことを言うようですが、これはバカにできない話です。同じ職場の方で、1階ATMで引き出せる制度と、わざわざ書類を書かなくては引き出せない制度で同額を積立している人の貯まり具合には歴然とした差が見られます。

<積立定期預金>

職場に貯める制度が何もない場合は、お給料が降り込まれる口座の銀行の自動積立定期預金を申し込みましょう。引き落としの日を選べるので、必ずお給料日に指定しましょう。「先取り貯蓄」でないと使ってしまう可能性があります。

毎月の金額設定ですが、無理のない金額にします。1000円からできるものも多いので、頑張り過ぎてすぐに引き出すよりは、無理のない金額をダラダラ長い期間続けましょう。やる前から「こんな小さい金額を貯めたって意味ないよ」と言う人もいますが、そんなことはありません。今は貯蓄ゼロ世帯が3割です。何かあったら大変なことになっています。それよりはマシです。

いずれにせよ、後で金額を上げるのは簡単です。たとえば最初は毎月1000円の設定でも、一年経ってお給料が少し上がったり、モチベーションが上昇したりしたら毎月5000円に設定し直せば良いのです。

大事なのは行動を起こすこと。あっという間に一年は経つ

積立といえば、印象的だった出来事がありますので紹介しましょう。私が20代前半のときに積立を勧めた同世代の男性に20年ぶりに道でバッタリ会ったのですが、顔を見るなり言われました。

「あの時、財形貯蓄をやるように言われて、若くて貧乏だったからしぶしぶ始めたんだけど、本当に感謝しています! 天引きってすごいですよね。あれが無かったら、今頃絶対に貯蓄ゼロだった自信あります」

月々1万円、ボーナス月に5万円なら、単純計算でも20年で440万円。これは、40代前半の平均貯蓄額くらいです。推測するに彼はこのくらいは貯まったことでしょう。

時代は変わって、金融商品のバリエーションや勢力図は大きく変わってきました。でも、断言できることは、「積立最強」です。半分忘れて続けていたら、あっという間に10年、20年経っていると思いますよ。

ごく普通の会社員や自営業の方、ザックリ年収1000万円未満の方が貯めていくなら、これらの制度を通じて毎月自動積立がもっともオススメです。

さて、当たり前ですが、これらの制度は申し込まないと始まりません。何も申し込んでいないけど、気が付いたらお給料の口座にいつの間にかいっぱい貯まっていた! そんな人はまずいません。大事なことは行動を起こすことです。

川部紀子

ファイナンシャルプランナー(CFP® 1級FP技能士)。社会保険労務士。1973年北海道生まれ。大手生命保険会社に8年間勤務し、営業の現場で約1000人の相談・ライフプランニングに携わる。その間、父ががんに罹り障害者の母を残し他界。自身もがんの疑いで入院する。母の介護認定を機に27歳にしてバリアフリーマンションを購入。生死とお金に翻弄される20代を過ごし、生きるためのお金と知識の必要性を痛感する。保険以外の知識も広めるべく30歳でFP事務所起業。後に社労士資格も取得し、現在「FP・社労士事務所川部商店」代表。お金に関するキャリアは20年超。個人レクチャー、講演の受講者は3万人を超えた。テレビ、ラジオ等のメディア出演も多数。近著に『家計簿不要!お金がめぐる財布の使い方』(永岡書店)がある

twitter:@kawabenoriko

サイト:FP・社労士事務所 川部商店 川部紀子】

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家計簿不要! お金がめぐる財布の使い方