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母性だの「あげまん」だの。男性を輝かせることを求められる女たち

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aichi_wezzy

わたしたちは愛についてよく知らない

世(というかネット)に出回っている似たり寄ったりな恋愛アド(クソ)バイス記事だが、私が最近特に問題だと感じるのは、いわゆる男性心理を根拠にああしろ、こうするな、と指示するタイプの記事だ。そこにある男性心理って、要は、男のプライド男はプライドが高いということが、自明の理とされている。だからそこ(男のプライド)に気を配れとかうまく利用して手玉に取れとか、そういうオチがつく記事がものすごく多い。逆に女のプライドは忌み嫌われる傾向にあり、なぜか男のプライドに対して世間(あるいは社会)は実に寛容……いやはっきりいって過保護。だからこの手の記事が増殖するのだろう。

まず、<ポジティブ相乗効果!「女が男を褒めなくちゃいけない理由」2つ Menjoy!という記事では、序文で< “男を作る”のは女です。女の扱い方次第で、男が大きな進化を遂げる><男を育てるのに必要なのは、厳しい叱咤激励よりも“褒め言葉”なんです!>と強調。そのうえで、「女が男を褒めなくちゃいけない理由」が述べられる(わりと長文で……)。

1:褒めないと男は自信が持てなくなる……

ある男性(既婚、子アリ)は、日頃何かと妻にダメ出しされていたが、外出先で若くてキュートな女性に褒められることで自信を取り戻した……というエピソードをあげ、こう説く。本来、夫や彼氏を褒めて自信を持たせてあげるのは、パートナーの女性の役目。妻に褒められた夫は「妻にもっと良くしてあげたい」という気持ちになるものである。パートナー同士で交わされる褒め言葉は、ポジティブな相乗効果を生む。 

2:常に人間は“称賛”を欲する生き物

人間には承認欲求(=褒められたい)があり、これが他者との関係を築く上でも重要になってくる。ところが、社会に出れば褒められることばかりじゃないし、批判されたり叱られたりすることもあるし、それでいて常に評価されている状況に置かれるのだから、精神的にキツい。それゆえ、常に自分を褒め味方になってくれるパートナー女性の存在はとても貴重であり、男性はそんな女性を「手放したくない!」と思うし、褒められることで再び「頑張ろう!」という活力が沸く。

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え??? これがなぜ「女が男を褒めなくちゃいけない理由」??? 「新入社員は褒めて伸ばそう」ならまだわかるが。ダメ出しが続けば大抵の人は自信を失うだろうし、社会人になったゆえの“精神的キツさ”も、そんな時に味方になってくれる存在が貴重なのも、男性に限ったことじゃない(私個人は、社会人になってからのほうが精神的にラクになったんですけどね)。女も当然、褒められたいんだけど???

さらに、こんな記事もあった。<あげまんは絶対に言わない!男性を叱るときのNGフレーズ5つ Menjoy!

女性が注意やアドバイスを“真剣に”訴えているのに、男性は逆ギレという噛み合わないカップルへの指南。こういうのはケースバイケースだと思うが、この記事では<男性を上手に育てるには、まずは男心をしっかり把握しておく必要がある>としてビジネス心理研究家に意見を仰ぎ、オエー(吐きそう)なクソバイスが列挙されている(さっきの記事よりもっと長文で)。

男性にとって“理想の女性像”とは、<母性と優美さの漂う存在>。具体的には、<優しく慈愛のこもった目で、男性を見守り育てる、麗しき存在……>。さ・ら・に、<男性を、自分(女性)よりも格上の存在として扱ってくれる従属性も備えた女性が望ましい>。これが<男性一般の深層心理に根ざしている本能的願望>であり、ゆえに、<理想の女性像に反する叱り方では、嫌悪感、拒絶感をもたれるだけで、逆効果>。ああもう鳥肌が立ってくる。男性が求める女性像とは、<一言でまとめると“優しいお母さん”>とも書かれてあるが、おいおい、男性って幼児なのか? パートナーに優しいお母さんを求めること自体ナンセンスだとは思わないのか。

 「“男性を叱る際のNGフレーズ”5つ」として、「女性が自分の地位や役職をふりかざす」「男性を格下に扱う」「男性のメンツをつぶす」「乱暴な言葉を使う」「シナを作って媚を売る」ことをしてはいけない、とされている。

<男性は女性に対し“自分を格上の存在として扱ってほしい”という心理があるため、正しい注意であっても、地位や役職をふりかざされると心を閉ざしの「この女の言うことなんか聞くものか」となる>

そ、そうですか…………。以前(男性に嫌われる非モテ行動)でも書いたけど、5つとも、女だってされるとイヤなことですよね? 老若男女問わず、年上年下や上司部下関係なく、誰にされてもイヤだよね、これ。プライドの高さうんぬんではなく、こんなことされると、誰でもうざいだろ!!!!! たとえ正論で叱れられても聞き入れたくなくなるような態度5選、なら納得だけれど、「女が男にやっちゃいけないこと」として紹介するのにふさわしいとは到底思えない。

「男性を“思い通りに育てる”魔法のフレーズ」も紹介されているのだが、<女性が意のままに動かすための要諦は、“男尊女卑”を逆手に取って、手玉に取ること>と説明されていて、正真正銘ドン引きする。

「女性の私が、男性のあなたにこんなことは言いたくないのですが」
「ごめんなさい、男性に向かってこんな生意気を言ってしまって」
「優秀なあなただからこそ、私からの一言を受け止めてほしいのです」
「あなたには、もっと立派な男性になってほしいのです」

そこまで下駄を履かせてあげないと、男性は「女性の言葉」に耳を貸さないというのだろうか……。「女性の私が」だの、「男性に向かって」だの、一体いつの時代に書かれた記事なのだ。<ちょっと言い方を工夫するだけで、男性を意のままに操れると思えばお安い御用だと思いませんか?>と煽っているが、ちょっと言い方を工夫する、という行為は、相手が誰であってもコミュニケーションを取る際に必要なこと。そして他人を「意のままに操ろう」なんていうのは、相手を馬鹿にした失礼な思惑だ。ひょっとして、暗に「男は言葉が通じない生き物で面倒くさいよね~」と男disをしたい記事なのか? 無駄に男女の二項対立を煽るようなアドバイスは、恋愛に役立つどころか関係性を破壊するだろう。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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