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「托卵」被害をなくすために『DNA検査を義務化すべし』という男性の言い分

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Photo by Mic445 from Flickr

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 インターネットで匿名の人々があれこれ放言する時代、さまざまな本音が可視化されている。多くの(?)男性が「痴漢冤罪」と「託卵」を非常に恐れているのだなあ、としみじみ思う。自前の記事を出すメディアでも匿名意見の集合体であるまとめサイトでも、年齢・所得・ライフスタイルを問わずその点は共通しているように見受けられる。

 大沢樹生が1997年に結婚し翌年に元妻・喜多嶋舞が出産した長男について、2012年にDNA鑑定を行ったところ、大沢と長男との間に血の繋がりがなかったことがわかり「親子関係不存在」の確認を求めて大沢が裁判に踏み切った……という托卵騒動は日本に衝撃を与えた。結果、裁判では大沢が勝訴し、長男とは正式に親子の関係がないことが認められた。今年、長男は成人したが大沢とは絶縁しているという。

 喜多嶋のように、夫以外の子供を身ごもりながらも夫の子供として産み育てる「托卵女子」について、610日には「現代ビジネス」に托卵妻のルポが掲載され話題を呼んでいる。記事には「DNA鑑定を求める夫が急増」しているとあるが、小町でもこれを訴える男性トピ主がいた。

出産時のDNA鑑定を義務化に

 トピ主(男性・年齢不明)は自己紹介もなしにいきなり本題に入る。トピ文も簡潔で以下のような質問だ。

「妻あるいは交際相手の産む子が、100%自分の子供だと男性側には確証がありません。
 信頼関係はないのか、との批判があるのは承知の上です。
 しかし今の時代、自分の子でない事実を知らずに育てている父親がいることを知り男性にも知る権利があると思うようになりました。
 特に子供が大きくなってから発覚した場合の代償は大きく、子供の精神的ショックは計り知れないでしょう。
 賛否両論あると思いますが、皆様の率直な意見が伺えたら幸いです」

 大沢の例でも、喜多嶋と離婚後は長男を大沢が引き取り育てていたというが、裁判を経た今、絶縁状態となっている。喜多嶋の托卵が白日の下に晒されたことによって、家族の間に大きな溝や軋轢が生まれたことを推察させるし、DNA鑑定で大沢が実の父親ではないという事実を突きつけられた長男のショックは計り知れないだろう。個人的には、出産時のDNA鑑定、してもいいと思う。妊娠時や出産直後は、母体の健康状態や、子に重要な疾患がないかと様々な検査が行われるが、これにDNA鑑定を組み込んでしまってもよいのではないか。以下コメント欄にあるように、親子関係証明以外のメリットも複数考えられる。

 コメントでは意見が分かれた。「うちは必要ない」「大賛成」「任意で良い」どれも拮抗している。

 「必要ない」派は、我が夫婦には信頼関係があるので必要ないという意見が多い。「大賛成」派には、その中にも様々な意見があって大変興味深かった。まず「シングルの方の出産にも、義務付けて、子供に父親を知る権利を付帯させるべき」というものや「DNA鑑定で分かる情報は多い」と、父子関係の存在確認という目的以外にも、今後かかる疾病の可能性などが予見できるということにメリットを感じている意見、「したたかな女が多い中、男性への救済」であるとするものなど。「必要ない」は、強く“反対”という意見もあり「夫婦がそれも織り込み済みで子を育てようとした時にその情報が子に知られる可能性が生まれる」という子の立場に立った慎重な意見も見られた。「必要ない」派には、そう言われればそうかもな、というこんなコメントも。

「人類の歴史上、男性にはずっと「この子は僕の子かな」という不安が付き纏ってきた筈です。子供を育てながら、自分に似た部分等見つけつつ、少しずつ納得していくという過程が、男性の心理に全く無益とも思いません。無事に産めるか、育てられるか常に不安と闘う母親の葛藤が無益ではないであろうというのと同じように」

 それぞれの意見が飛び交う中、トピ主レスが投稿された。

「知人男性で、妻の浮気発覚から子供の父親が違う可能性が出てきました。
 3人の実子と思って育ててきた兄弟がおり、下の2人の子供の顔が明らかに違うようです。
 既に離婚調停中ですが、妻側はDNA鑑定を断固拒否しています。
 家族も兄弟も分断され、大変な状況になってしまいました。
 それを聞いた時に、私は同じ父親として腹立たしい気持ちになりました。
 托卵などという表現もあったり、父親の25人に1人は他人の子を育てているなどの世界のデータも存在します。
 そういう現状を知った時にDNA鑑定が義務化されていれば、起きなくていい問題が未然に防げるのでは? と思いつきました」

 この話、先の「現代ビジネス」記事の托卵妻の兄弟構成と同じだが、釣りなのか偶然なのか……。またトピ主は「任意でなく義務でなければならない」と考えた理由をこう述べる。

「『私を信用できないの?』と、妻に言われればそれまでだからです。思い付きの提案なので、実現には難しい内容とは分かっています」

 で、このトピはまだまだ議論が続いている。

「托卵する女性がいると言う事は、托卵させた男性もいると言う事ですから、そう言う意味で困る男性もいるでしょうからどうでしょう」

 賛成派のコメントにこんな書き込みがあった。そう、托卵させた男性は実に困るだろうし、男性みんなが一枚岩になって「女に騙されるのが怖い! DNA検査義務化を!」とはならないだろう。産後すぐの鑑定であれば「夫じゃなくて前彼の子だった」と発覚したとき、託卵男側にも連絡がつきやすいし責任を負わせることが出来るかもしれない。しかし何年も経過して大沢と喜多嶋のように家庭が崩壊しても、托卵男は金銭的にも精神的にも何も痛まない。『托卵妻』が話題だが、もし25人のうちに1人か、もしくは「現代ビジネス」記事のいうように10人に1人の妻は托卵しているというのが本当だとするならば、同じだけ『托卵男』も存在する。妊娠は女性単独では出来ない。たまには実際に托卵させた側の男の意見をじっくりと聞いてみたいものだ。

ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

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