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「この子すぐヤレそう」と判断され狙われる女性の特徴、という加害者目線のアドバイス

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わたしたちは愛についてよく知らない

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性暴力の被害者が「隙があった」「合意と見られても仕方ない」と責められるセカンドレイプ。621日放送の『あさイチ』では「無関係ですか?性暴力」と題した特集を流したが、番組終盤に読み上げられた視聴者からのFAXには、セカンドレイプ発言が多く見られました。特に20代女性からの「性暴力は本当に加害者が悪い場合と、被害者でありながら落ち度がある場合がある。女性として常に危機感を持つことが大切だ」という意見には、一部の“わからないひと”たちの問題ではなく、社会全体に蔓延する非常に根が深い問題であることを再確認することとなりました。女性が常に危機感を持たなければならないほど、“男性”というのは危険な生き物なのでしょうか?

▼「死ぬ気で抵抗すれば防げる」のではなく「死ぬ気で抵抗すれば殺される」性暴力の実状

女性に向けての「男は狼なのだから年頃になったら気をつけなさい」というメッセージは、そこらじゅうに溢れています。警戒を怠った女性は「落ち度がある」とみなされます。どこそこへ行った、何を着ていた、何と発言した、誰とつるんでいた……など、女性の選択ひとつひとつが「落ち度でないか」検証されるのです。

恋愛から結婚まで「リアル・本音・実践」で伝えるメディア『DOKUJO』の<この子、すぐヤレそう」と思わせてしまう女性の特徴とは?>という記事にも、それは顕著です。この記事には、実際に体目当てだけで女性に言い寄っているヤリ目男性の意見として、女性のどんなところを見て「ヤレそう」と判断するのかが掲載されています。

・派手な女性とつるむ、地味目な女性=コンプレックスが強い女性
「ちょっと口説いただけですぐにコロっとなりますよ」

・ノリのいい子、連絡先を渡しまくる子
「ノリがよくて、断れないタイプ」

・お酒に慣れず弱い女性
「酔うと無防備に甘えん坊になってしまう子は、成り行きでHができそう」
「酔わせてしまえば簡単にヤレるのかも」

このような考えを持つ男性が一定数存在することは、深刻で重大な問題であり、ともすれば性暴力・性犯罪の芽になり兼ねないと思います。しかし記事ではそれを仕方のないことと容認し、『いろんな男性と出会うことは恋に発展する可能性もありますが、中にはきちんとお付き合いをするつもりがないのにSEXだけしたいと思っている男性も一定の割合でいるもの。そんな人にターゲットされると嫌な思いをする危険性も考えられます。体目当てだけの男性に目をつけられないようにしたいですよね』と、女性に警戒を促す形で締め括っています。確かに女性読者を想定していたら、「気をつけよう」と伝えたくなるのも無理はないけれど、ここはヤリ目男性の認知の歪みを指摘したり、狙われた女性が悪いわけじゃないことも記しておくべきじゃないでしょうか。さらに「酔った女性はヤレそう」という言葉を批判なしに掲載していますが、お酒に酔って前後不覚に陥った相手を犯すことは準強姦にあたります。「酔っ払った私が悪い」で済ませていい話ではありません。

性暴力問題に限らず、“被害に遭いやすい者”の特徴を挙げる記事は少なくないけれど、それは同時に、隙を見せた被害者にも落ち度があることを示すものになってしまいます。これは“女性向け”の記事ですが、逆に“男性向け”の記事で「相手が酔っていて合意のとれない状態は、すなわちセックスチャンスではない」と説明するものが存在するでしょうか。“男性向け”の記事ではむしろ、「酔わせてヤっちゃおう」「泥酔状態はセックスチャンス」と準強姦をすすめるものがあったりもします。これを男女の駆け引き、攻防だなどと肯定してしまって良いのでしょうか。

TBS記者でジャーナリスト山口氏の準強姦疑惑や小出恵介の未成年淫行といった有名人の性暴力事件や、有名大学でのキャンパスレイプ事件といったセンセーショナルな性にまつわる事件報道も記憶に新しいところです。そうした事件が発生する背景、そして事件報道を受けてセカンドレイプが起こる背景に、「男は狼なのだから気をつけなさい」という共通認識が男女ともに植え付けられていることがあるのではないでしょうか。女性に「気をつけなさい」と警告するのであれば、男性にも「しないよう自制しなさい」と促すことが必要なはずです。セックスの同意を得る時の方法とその責任は、アクションを起こす側にあります。はっきり「したい」と表明し、拒絶されたら引き下がる。過去に公人が「男は強姦するくらいの元気があったほうが良い」とか「強姦する体力がないのは男として恥ずべきこと」といった発言をして批判されたことがありました。強引にでも目的を達成することが「男としてあるべき姿」だと認識している人もいるのでしょう。いわゆる男らしさ幻想ですね。そうした幻想がゆらゆら漂っているならなおさら、男性たちに対して「レイプなどせず、相手に拒絶されたら引き下がりましょう」と“男性が読むメディア”が伝えていく必要がありますよね。

最後にひとつだけ補足しておくと、もちろん「オンナはみんな聖女」なわけではなく、セックスを目的とした出会いを求める女性もいるでしょう。可愛く酔っ払ったら意中の男性とホテルに行けた、ラッキー、という経験を持つ女性もいると思います。しかし女性側も「自分からは誘えないから、相手に『ヤレそう』と思わせて襲ってもらう」などとまどろっこしいことをせずに、自ら「したい」と提案して良いのです。「したい」と提案した結果、「俺はしたくない」と拒絶される可能性もあります。それでいいのだと思います。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

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