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サントリー『頂』PR動画、宮城の壇蜜お色気観光動画も、「セクシーな女で男を釣る」わかってなさ

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 サントリーが新発売した缶ビール『頂(いただき)』のWEB限定PR動画が公開されるや否や批判が相次いで“炎上”、そして公開中止となった。

 またかよ、だ。PR動画やCMがその「おかしさ」を指摘され(炎上)、制作サイドが公開中止の判断を下す例は近年よくあり、どういう内容のものが“炎上”するのかもそろそろ大別できようというもの。ゆえに今回のサントリーPR動画は最初から“炎上”により新商品の情報を拡散しようという狙いがあったのではないか、とも見られている。

 件のWEB限定PR動画「絶頂うまい出張」は、『頂』発売の2日後である76日、YouTubeTwitter、商品特設サイトにて公開された。

 北海道・東京・神奈川・愛知・大阪・福岡、6都市を舞台に、出張中の男性が現地で出会った女性と居酒屋や中華料理店で食事を楽しむ……というストーリーのこの動画に男性の姿は映らず(カメラが男性目線なのだ)、現地女性の役を演じるグラビアアイドルのみが登場し、男性に色々と話しかける。やがて女性は男性から缶ビールの『頂』を受け取って飲み(北海道篇以外は明らかに飲食店にいるのに)、「コックゥ~ん!しちゃった…」「絶頂うみゃあ」と感想を言う。

 6篇とも現地名物として登場するのは春巻きやトウモロコシや明太子といった“長い”食べ物で、「絶頂」というワードが連想するものを含め、性的なニュアンスを与える内容であった。ネット・SNS上では「AVかよ」「下ネタ」「セクハラ」「不快」と批判する声が相次ぎ、たちまち炎上、翌7日公開中止、商品特設サイトでは謝罪。もはや安定の炎上芸の様相を呈している。

 2015年のルミネ(LUMINE)、2016年の資生堂「インテグレート」や鹿児島県志布志市「うなぎ少女」、今年に入ってからだとエネオス電気、ソフィ「ソフィソフトタンポン」、ユニ・チャーム「ムーニー」など、CM・PR動画の炎上(批判)・削除・謝罪騒動は頻繁に起こっている。企業がWEBTwitter上で行うアンケート内容が不適切だと批判を受け取り下げに至ることもある。いずれも「性別」に起因した「ハラスメント」にまつわる内容のものが多い。今回だと、お酒のPR動画でことさら女性のエロを際立たせているような表現が見受けられることから、こういった表現を男の妄想だからOKとするその先に「性暴力」の問題があると指摘する声も挙がった。

 しかし炎上の際には、同時に批判(炎上)に対する批判・反論・企業擁護が多少なりとも巻き起こるのも常だ。「この動画の何が問題なのかわからない」「たいしたことねえだろ」など、細かいことに目くじらを立てるクレーマーにうんざり、といった調子だ。もはやこういった炎上騒動に、世間も作り手も慣れきってしまったんじゃないのかと、そんな気がしないでもない。企業の広告(CM・動画)やカルチャー(漫画や映像作品)で、性別役割の固定化やハラスメントや性暴力につながる表現は、国際的にはもはや「ありえない」ところまできているのだが、それでもそうした制作物が新しく作られていく。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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