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性暴力をめぐる理解と対話が「わたしたち」の課題――「『抵抗しなかった君が悪い』と言えますか?」イベントレポ

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621NHK『あさイチ』の特集「無関係ですか? 性暴力」に寄せられた「死ぬ気で抵抗すれば防げる」という視聴者の投稿に、ジョン・カビラさんは「もしご自分の奥さんや娘さんが被害にあったら、同じ言葉を言えますか? 最後まで抵抗しなかった君が悪いと言えますか?」と反論した(「死ぬ気で抵抗すれば防げる」のではなく「死ぬ気で抵抗すれば殺される」性暴力の実情)。この発言を受け717日、東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザで、性暴力を正しく理解する男性を増やそうという試みが行われた。

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はじめにプレゼンテーションを行ったNPO法人「しあわせなみだ」の理事長を務める中野宏美さんは、「抵抗しなかった君が悪い」という声が上がる背景に、抵抗できないということが知られていない実情があると指摘する。

「実際に性暴力にあった場合、体が固まってしまうのは防衛反応であり、抵抗しないのは命を優先した当たり前のこと。しかし『いやよいやよも好きのうち』という刷りこみが男女ともにあり、いやだと思っていても実はよろこんでいるのだという認識が男性女性問わず社会全体に蔓延している。そして性暴力が特別なことであり、自分には無関係の遠い出来事だと思われていることも、実情への理解を遠ざけている」と中野さんは語った。

強姦被害経験者が警察に連絡・相談をするのは全体の4.3%しかおらず、67.5%は誰にも相談しないそうだ。中野さんによれば実際に異性によって望まない性交をされた女性は15人に1人と推測され、1クラスに12人ほどいる計算になる。しかし警察に強姦被害に遭ったことを連絡/相談する4.3%は女性人口の500人に1人程度で学校に12人ほどだ。そうなると性暴力はめったにない特別なことだと思われ、普通の人は遭わない、何か悪いところがあるから被害に遭うのだという思考に行きついてしまう。自分の身近に性暴力を受けたと告白する人がいなければ、被害者の存在がイメージできなくなるのだろう。異性であれば告白するハードルはより高くなるからなおさらだ。そのような状況のなかで、抵抗できない側ではなく、抵抗させない側に責任があるのだと伝えていく必要があると中野さんは締めくくった。

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