社会

夏休み、はしゃぐから性被害に遭う? 児童向けの「警告」だけではなく「児童を性的対象として扱わない」ことの啓発は…

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 毎年7月は、「青少年の非行・被害防止全国強調月間」とされている。これを定めたのは内閣府で、内閣府は学校が夏休みを迎える7月に、関係機関や関係団体と連携しながら、青少年(18歳未満の児童)の非行・被害防止のための活動を全国で実施する。

 「児童の非行」と、「児童の被害」とをまとめて啓発すること自体、ちょっと雑な気もするが、今年の活動にあたって内閣府と警視庁が作成したポスターからは、先日、東京都が発表した「STOP JKビジネス!」のポスターと同様の気配を感じた。

JKビジネス「絶対にやっちゃダメ。」と啓発すべき対象は児童ではなく「大人たち」だ

 ポスターに記載されている文面は以下の通り。

危険はあなたの身近なところに潜んでいます!!
7月は青少年の非行・被害防止全国強調月間
#はしゃぎ過ぎダメ
#出会い系 #JKビジネス #援助交際 #ポルノ #ストーカー #ドラッグ #お酒 #タバコ #いじめ #夜遊び #万引き #振り込め詐欺 #まず相談

 非行が犯罪被害につながるため、まず非行に及ばないよう児童自身が自制を、ということなのだろう。児童に向かって「あなた」と呼びかけ、「#はしゃぎ過ぎダメ」と念を押しているのだが、では「あなた(児童)」の身近に潜んでいる「危険」を作り上げているのは誰で、その「危険」を野放しにしているのは誰で、そういった「危険」から児童を回避させる責任、児童が「危険」に巻き込まれた際の責任は誰にあるのだろうか? すべて、大人たちである。

 「#はしゃぎ過ぎダメ」とあるが、児童が非行に走ったり犯罪被害に遭ったりするのは、当該児童自身が、夏休みに浮かれはしゃいで羽目を外し、深く考えず軽い気持ちで「危険」に近づいたから……というケースだけでは当然ない。たとえば家庭、学校、地域に居場所のない児童が流れ着く先に、犯罪加害者がいるケースもあるだろう。

 また、売買する大人がいるから成立しているJKビジネスと、児童同士でも成立するいじめとを一緒くたにまとめて啓発している点もスルーできない。JKビジネス等で被害に遭うことと、お酒やタバコに手を出すことを同列に並べてしまっては、前者も「児童自身が悪い」ように見えてしまいかねない。いや、危険を軽視している児童自身が悪い……ということなのだろうか?

 「青少年の非行・被害防止全国強調月間」の啓発ポスターは、例年、若手著名人をイメージキャラクターに起用して児童たちに危険を回避するよう呼びかけるパターンで制作・掲示されている。いわば大人から児童への“警告”だ。では一方、大人たちへの啓発はどうなっているのか。そもそもこの「青少年の非行・被害防止全国強調月間」で、一体どんな活動をしているのか、調べてみた。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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