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日本はヒューマン・トラフィッキング大国?~「JKビジネス」「AV強制出演」「技能実習生」

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 6月末、アメリカ国務省のレックス・ティラーソン長官と、ドナルド・トランプ大統領の長女でホワイトハウス補佐官のイヴァンカ・トランプが「2017年ヒューマン・トラフィッキング報告書」を発表した。

 同報告書は米国政府が毎年出しているもので、世界各国に調査員を派遣するなどしてヒューマン・トラフィッキングの実態を調査し、国別にまとめた450ページに及ぶ内容だ。

 「ヒューマン・トラフィッキング」は日本語では「人身売買」と訳されることが多く、大多数の日本人は「日本で人身売買など有り得ない」と考えている。だが英米の辞書では “human trafficking” は「人身売買」以外に「性産業などで強制労働から利益を得ること」も指すとある。したがって報告書の日本のページには「JKビジネス」という言葉が登場し、AV(アダルトビデオ)への強制出演問題、技能実習生問題も取り上げられている。つまり、日本ではれっきとしたヒューマン・トラフィッキングが行われているのである。

 さらに報告書はヒューマン・トラフィッキングを「奴隷」という言葉に置き換えることもしている。「現代の奴隷制」というページでは、以下の7種類が挙げられている。

・セックス・トラフィッキング:大人が売春などの商業的な性行為に強制、脅迫、詐欺、強要などによって従事させられること

・児童セックス・トラフィッキング:18歳未満を性産業に従事させることは、強制ではなく本人が希望、了承した場合であってもセックス・トラフィッキングとみなす。理由は、性行為が「身体的および心理的な外傷、病気(HIV /エイズを含む)、薬物中毒、望ましくない妊娠、栄養不良、社会的排斥、さらには死亡まで含め、子供にとって壊滅的な結果」をもたらすため

・強制労働:強制、身体的な脅し、心理的な脅し、法の乱用などによって強制的に労働させること

・負債労働:就労する国への渡航費用や手数料などを借金として課し、返済するまで無給で働かせること

・個人住居内奉仕:メイドなど個人の住居内で働く者が自由を制限されたり、虐待を受けたり、賃金の不払い、または過小支払いを受けること

・強制児童労働:物乞いや肉体労働など、子供を強制的に働かせること

・チャイルド・ソルジャー:子供が兵士として強制徴用されること。兵士以外に兵士の召使い、スパイ、女子の場合は兵士によるレイプ、兵士との強制的な結婚も含まれる

 つまり「JKビジネス」は「児童セックス・トラフィッキング」、「AV強制出演」は「セックス・トラフィッキング」に、実習生の不正な酷使がたびたび報道される「技能実習生制度」は「強制労働」または「負債労働」に当たるのである。

 報告書で各国はヒューマン・トラフィッキングの有無や抑止努力のレベルによって4グループに分類されている。日本は「第2段階:トラフィッキング犠牲者保護法の最低基準を完全には満たしていないが、基準に準拠するために多大な努力をしている国」に分類されている。ただし日本は国際条約の「人、とくに子供と女性のトラフィッキングを防止、抑止、処罰のための議定書」を締約していない。報告書には未締約20カ国のリストも掲載されており、うち先進国は日本と韓国のみである。

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堂本かおる

ニューヨーク在住のフリーランスライター。米国およびNYのブラックカルチャー、マイノリティ文化、移民、教育、犯罪など社会事情専門。

サイト:http://www.nybct.com/

ブログ:ハーレム・ジャーナル

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