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月9デビュー作からキムタク全開!『あすなろ白書』の取手くんはバッグハグ文化のパイオニア

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ミスター月9

ミスター月9

 “月9”と言うと、昨今の低視聴率ぶりに「今なら“火10(『逃げ恥』や『カルテット』を放送したTBS系列の火曜22時放送枠)”じゃね?」と言われるほどのドラマ枠になってしまいましたね。でも“月9”とは、今年30周年を迎えたテレビドラマの殿堂放送枠(フジテレビ系)。「カーンチ!」のセリフで有名な『東京ラブストーリー』(1991年)では、21時になるとF1層(20歳から34歳までの女性)が街中から消えると言われるほどの伝説を作り、平均視聴率が20%を超えていた、いわばドラマの金字塔だったのです。

 今じゃ、流行を知ろうと思えば、手にしているスマホが、いろんな情報を発信してくれます。でも、当時の文化はすべてドラマから発信していると言っても過言ではありませんでした。メディア界では、テレビの影響力が独走状態でしたからね。インターネットのような有象無象の世界ではなく「テレビ様のおっしゃることがすべて!」だったのです。

 女性のコーディネートの見本はいつだって、トレンディ女優です。鈴木保奈美が前髪をクルリと巻けば、女子はみなこぞってカーラーを手にする。山口智子がシャギーカットだと言えば、美容院に駆け込んで雑誌を見せてヘアカット。上京すれば、ミポリンが住んでいるような豪華シェアハウスに住めると信じて疑わない田舎者が私を含めて多数。オッサンたちがバブル経済の浮き沈みに翻弄されている一方で、変わらないドラマのきらびやかさ。いつも視聴者の憧れをたえまなく発信してくれるのが“月9”だったのです。

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スナイパー小林/小林久乃

文筆家、編集者、エンタメ&テレビドラマ評(コラム)からの愛酒家。出版社2社で女性ファッション雑誌、情報誌の編集部員を経て、まんまとフリーランスに。ライターの先生や地方で講演と楽しいおしゃべり仕事もしてます。静岡県浜松市出身。アラフォーで正々堂々の独身を誇る…。

@hisano_k

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