エンタメ

星野源の穏やかな問題提起 「いかにも幸せそうな家族像」が規定する家族観

【この記事のキーワード】
星野源

星野源「Family Song」ビクターエンタテインメント

 星野源が816日に発売した10カ月ぶりのニューシングル『Family Song』が、828日付オリコン週間シングルランキングの初登場1位を獲得している。連続ドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の主題歌である表題曲「Family Song」、花王「ビオレuボディウォッシュ」のCMソング「肌」など4曲を収録した同作。初週売上は、昨年自ら出演し大ヒットした連続ドラマ『逃げる恥だが役に立つ』(TBS系)の主題歌「恋」の初週売上(10.2万枚)を上回る19.1万枚と発表されている。昨年のブレイクは本物だったということなのだろう。

 818日には『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演し、「Family Song」を披露。歌唱前のトークで明かした、新曲に込めた家族観が評判だ。タモリが「新曲のテーマは家族だそうで」と振られた星野は、「そうなんです。歌詞を昔というよりも今の家族にしたいなと思ってた」「家族って、漠然と血の繋がりだと思ってたんですけど、よく考えたら夫婦って、血つながってないじゃないですか? だから血のつながりとか関係ないな思って」と話した。

「たとえば、友達や仕事仲間も“ファミリー”って言ったりするじゃないですか。広い意味で、これからの時代に向けての“ファミリー”なんです。あと両親が同性同士の家族だったりっていうのも、これからどんどん増えてくると思うんですよね。そういう家族も含めた、懐の大きい曲を作りたいなと思って」(星野)

その歌詞には

「出会いに意味などないけれど
血の色 形も違うけれど
いつまでも側にいることが
できたらいいだろうな」

とある。

いかにも素敵な家族の映像は、家族観を狭めてきたかもしれない

 また、表紙を飾っている「TVブロス」826日号(東京ニュース通信社)のロングインタビューでも、「ずっと自分のなかで気づいていたんだけど今まで表現していなかったことを歌詞にしたいと思った」として、「Family Song」の歌詞について次のように語っている。よくある「家族をテーマにした素敵な曲のMV」で「いかにも幸せそうな家族の映像」が流れたときに、家族がいない人は疎外感を覚える可能性があり、星野の中に『「部外者はお断り」みたいな要素を感じたときにどうすればいいんだろう? という気持ち』が溜まっていたという。ペットや友達を家族だと思う人もいるわけで、血縁や居場所に縛られない家族の形、未来を見ている家族の歌を作らなければいけないと考えたそうだ。

『これから性別として同性の両親がいる家族も絶対に増えてくるだろうし』

『声を大にして謳うのではなくて、シンプルにいろんな家族の形を内包している歌詞にしたいなって』

 同様の話は、813日放送の『J-WAVE TOKIO HOT100』にゲスト出演した際にも語っていた。「血縁だけでなく広い意味でのファミリー、愛があればファミリーなんじゃないか」という星野源。おとうさん・おかあさん・こどもたち・おじいちゃん・おばあちゃん、という血縁で同居する形式の家族を正当としたときに<部外者>になってしまう多様な人々、多様な関係性に思いを馳せる姿勢は、星野が支持を広げている理由のひとつと言えるだろう。

ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

【Amazon.co.jp限定】Family Song(CD+DVD)(初回限定盤)(Family Song オリジナルA5クリアファイル Dtype) いのちの車窓から