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シワシワ扱いされた梨花・松嶋菜々子・YOU 女優のシワと「劣化」問題

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梨花

(画像:梨花Instagramより)

 映像技術の向上により、私たちはテレビやパソコンやスマホで高画質の映像を楽しめるようになった。今はもうすっかり慣れてしまって「これが普通」だが、90年代や00年代前半の“アナログ放送”“ビデオ”とは比べ物にならない美しさであることは間違いない。家電量販店へ足を運べば、テレビ売り場は各家電メーカーが競うように「最新機器に買い換えれば、高画質の美麗な映像が見られる」とPRし、高画質かつ大画面のテレビを売り出している。

 映像美にこだわる制作者や視聴者にとっては良い時代なのかもしれないが、“映される立場の人たち”および彼ら彼女らを支える立場の人たちにとっては、困った話でもあるだろう。被写体の肌や髪の状態も“しっかり”映されるのだから、ますます手が抜けなくなってしまう。

 さらに、情報技術も進歩しインターネットが行き渡った現代、一度放送された映像はその日のうちにネット上にアップされ、削除してもまたアップされ……のいたちごっこで、映像から一瞬を切り取った画像も瞬く間に拡散されていく。SNSやブログではイチ視聴者の感想(画像が添付されることも多い)が溢れ、「劣化」「肌ヤバ」なんてコメントをまとめた記事が作成されたりもする。おまけに……こんなアンケートまで存在する。

3位梨花!男性が選ぶ「美人だけどシワが目立つ芸能人」1位は

 小学館運営のWebメディア「美レンジャー」が、20~40代の男性500名に実施したアンケート「美人だけどシワが目立つと思う女性芸能人は?」の集計結果である。こういうアンケートを行ってその結果を発表すること自体が、「女性は見た目で判断・差別される(判断・差別をしてもいい)」と肯定していることと同義で、ユーザーも「この女優はシワシワだ」と回答することに疑問や罪悪感を抱くことはないのだろう。

 序文で<年齢不詳な美女揃いの芸能界。しかしテレビを観ていると「あれ? この人シワがすごい」と、二度見してしまったことはありませんか?>と読者に語り掛けているのも、一億総小姑社会・一億総監視社会を表している。「美人だけどシワが目立つ芸能人」その結果は以下の通りだった。

1位:YOU53
2位:松嶋菜々子(43
3位:梨花(44
4位:長谷川京子(39
5位:沢尻エリカ(31
6位:浜崎あゆみ(38)、釈由美子(39
8位:木下優樹菜(29
9位:長澤まさみ(30

 ランクインしている10名は、概ね3050代の女性芸能人。全員、かれこれ10年ないし20年以上、芸能界の第一線で活躍している顔ぶれだ。おそらく10人とも、「シワがなんちゃら」と指摘されたくらいでキャリアや人気に影響もしないだろう(が、だからこういうアンケートをしてもいいわけではない)。それにしても、13位(YOU、松嶋菜々子、梨花)については、男性の“厳しいコメント”が掲載されているのだが、

「年齢からしたら信じられないくらい可愛いとは思うけど……」、「トークは面白いけど、正直最近は肌にハリがなくなってきた気がする」(1位 YOU
「キレイだけど、目元の笑いシワが気になる」、「老けた松嶋菜々子は見たくない」(2位 松嶋菜々子)
「確かに可愛いけど、笑うとシワがすごい」、「正直、年取ったなあと思った」(3位 梨花)

と、余計なお世話もいいところだ。しかもどこから目線なのか……。

 生きていれば、年齢を重ねて老けるのが当たり前であり、20代のまま皮膚が固定することなどありえない。10代とアラサーでは、子供と大人ぐらい容姿も内面も変化があるものだし、30代と40代、40代と50代も当然違う。同じ状態を維持することが“普通じゃない=不自然”なため、どれだけセルフケアに励み美容医療を駆使しても、全体を見たときに違和感ある仕上がりになるだろう。自分はまだまだ若いつもりで幅広い年齢層の女性を品評する男性、そしていつまでも若いつもりで変化を許せない女性、どちらも痛々しい。

 女優やアイドルは見目麗しいものだが、ズームアップしてまじまじとその肌を見れば、毛穴もあるし、シミシワソバカスに色ムラもある。たるみ、ヤセも出てくるし、何歳だろうと毛は生えている。それが人間の女性というものだろう。

 一方で、今回のランキングとは別の話だが、ネットで「劣化」等の中傷を書き込みたくなる心理として、「人気の実態が不明なのに、人気者扱いされている」といった、タレント(プロダクションや代理店)とメディアの歪なヨイショ関係にうんざりしている……というものもあるだろう。「すごく老けているように見えるのに、“若々しくて素敵!”と持ち上げられていて違和感」だとか、「明らかに美容医療をやりすぎて表情が不自然なことになっているのに、“美女”扱いされている」だとか、そういうメディアと消費者側のズレが積み重なり、ネット上でのタレントへの外見中傷につながっている側面もあるように感じる。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

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