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理想を現実に投影、落差で「女にダマされた!」と怒り出す? おかしいのは「女はこういう性別」という下地

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わたしたちは愛についてよく知らない

 男性が“女性の真の姿”を知ってショックを受けた、ガックリした、ドン引きした、怖くなった、ショックを受けた……といった類のエピソードを集めた読みもの記事は、女性向け雑誌のモノクロページの定番ネタのひとつで、最近はネットにも多い。そうしたものを読むと、そこに意見を寄せている男性が、女性に対して現実離れしたイメージを抱いているだけなんじゃないのかと、うんざりさせられることもある。あくまで“女性向け”に書かれ提供されている記事ゆえ、読者である女性が素直に「じゃあ彼氏を幻滅させないように気をつけよう」と襟を正せば、また一層“幻想”が強化され、男女の溝が深まるように思えてならない。

真実の姿にガクッ…男が「この女にダマされた!」と思った瞬間4つ(メンジョイ!)

 小学館が運営する女性向けマガジン型ウェブ媒体「メンジョイ!」の“男子が女子に対して「ダマされた!」と思ったエピソード”を紹介しているこちらの記事は、2030代独身男性(つまり成人男性。10代よりは女性に幻想を抱いていないと思われるが……)のアンケートからエピソードを抜粋したものだという。

<男は、好きな女子に「こうあって欲しい」という願望があ>るらしい。<その理想を追って、幻想を抱いていた女子の“真実の姿”を知ったとき、「ダマされた!」と勝手な被害者意識をもつのです。>とのことで、そんな「現実」を女子にお伝えする記事。

 紹介されている、“男が「この女にダマされた!」と思った瞬間”は、以下の4つ。

1:部屋が女の子の部屋とは思えない程汚かった
2:起きたら「この子誰?」すっぴんの顔がやばい
3:部屋にお酒の空き缶が…まさかアル中?
4:おしゃれだなと思っていたら、バイト代のほとんどを服に使っていて引いた

 まず、“女の子の部屋とは思えない程”という表現に違和感がある。“女は綺麗好きで、男は大雑把不得意”というジェンダーロールが下地にあるから、このような表現は成り立つのかもしれない。でも、整理整頓が不得意でズボラな女性も、整理整頓が得意で綺麗好きの男性も、今に始まったことじゃなくずっと昔からいると思う。私がこれまでの人生で“訪問した部屋”を思い出してみても、きっちり整頓が行き届き小奇麗な部屋に暮らす男性もいれば、散らかり放題な部屋で快適そうにしている女性もいて、性別による傾向の偏りは見られなかった。

 女性は美容関連の商品の最大の顧客層だが、しかし生まれつき女性のほうが男性より肌が綺麗なわけではないんじゃないか(ホルモンバランスの影響は多少あるのかもしれないが)。夜、風呂上りのすっぴんよりも、寝起きのすっぴんのほうが不細工なのはみんな同じだ。むくみ、皮脂、寝癖などが主な要因だろうが、男性も寝起きは日中より不細工なので実はそこに大きな差はないだろう。「かわいいはつくれる」ものなのだが、「自分の彼女はナチュラルな状態でもかわいい」は実現困難だ。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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