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水原希子出演プレミアム・モルツCMへのヘイトは4カ月前から行われていた。私たちが批判の声を挙げることに意味がある。

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 おそらくこの報告と抗議を受けて、攻撃対象として水原が出演しているツイートが選ばれたのだろうと予想する人もいるかもしれないが、実際には違う。75日のツイート629日のツイート511日のツイートを見てほしい。いずれも水原の出演動画が添付された投稿に対して、投稿日から数日の間に、民族差別的、性差別的なヘイトに満ちたリプライが寄せられていることが確認できる。97日以前から水原はヘイトの対象とされていたのだ。

 これらは“水原だから”攻撃されているのではない。類似の民族差別的、性差別的なツイートは、そこら中でみられ、インターネット上に拡散されている。メディアに出るだけでこれだけのヘイトが寄せられているのだ。コリアンルーツの人びとが、インターネットで、そして日常生活で、どれだけ権利や自由を奪われているのか、想像してみてほしい。

 ツイッター社は「ヘイト行為に対するポリシー」を下記のように掲げている。

 「表現の自由は、人々が恐怖によって発言できないという状況では意味を成しません。Twitterは他者の発言を抑制する嫌がらせ、威圧、脅しを禁止しています。Twitter上で、これらのルールへの違反を見つけた方はご連絡ください」

「ヘイト行為: 人種、民族、出身地、性的指向、性別、性同一性、信仰している宗教、年齢、障碍、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます」

 それにもかかわらず、ツイッター社は4カ月以上に渡ってこれらのツイートに対応をせず放置してきた。そしてそれ以上の長い期間、ツイッター上に見られる様々なヘイト行為を放置してきた。抗議の前から「早急な問題解決」が必要だった。今後どのような対応を行うか注目だ。

 また、サントリーがなんら対応をとっていないことも問題だろう。サントリーは、自身のPRがヘイトの温床になっていることを問題視するべきだ。そしてなんらかの対応をとらないことが、ヘイトを消極的に容認していることになるとしっかり認識しなければいけない。もしサントリーが、ヘイトに対して何らかのアクションを起こしたならば、それは商品のPRだけでなく、もっと広く大きな意義のあるPRになるはずだ

 ただし、残念なことに「リスクのあるタレントは起用しない」という方向になるかもしれない、という危惧もしなくてはいけないのが日本の現状だ。

 97日のサントリー・ザ・プレミアム・モルツへの差別的リプライが注目されてからは、ユーザーに対する批判や「問題のあるツイートの報告」などによって、差別的なツイートは削除されるなどの対応がとられつつあるようだ。「リスクのあるタレントは起用しない」という流れにならないようにするためには、こうしたアピールが必要だ。そしてそれは、マジョリティとして生きる人びとがしなくてはならないことだろう。この惨状の中で、さらにマイノリティに負担をかけるようなことをさせて、それを眺めているべきではない。
(wezzy編集部:カネコアキラ)

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ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるか