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デリバリー型給食に異物混入を放置。完全給食実施率25.7%の神奈川県、給食を取り巻く諸問題

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Photo by Ishikawa Ken from Flickr

 神奈川県大磯町の町立中学校で、給食の食べ残しが大量に出ているという。給食を終えた1クラス分のプレート(弁当箱みたいな容器)をずらっと並べた写真を見ると、その残量が多いことがよくわかる。ほとんど手を付けられていないプレートもある。さらに驚くことには、白米も非常に多く残されている。

 大磯町が町立中学校(全2校)に給食を導入したのは、昨年1月から。形式はいわゆる「デリバリー」で、献立・味付けは大磯町が決め、調理・配送は大磯町の委託を受けた綾瀬市内の給食業者が行っている。大磯町の中学と、綾瀬市内の給食業者との距離は約20キロ。衛生上、19度以下に冷やして配送しなければいけないが、冷やすことによって味は落ちるし肉の脂は固まってしまう。インタビューを受けた生徒たちが「ぶっちゃけまずいです」「味を全体的に改善してほしい」などと答えるのも頷ける。それにしても大磯町の中学での給食残食率は平均26%(2015年調査での全国平均は6.9%)、多い日は55%にも上るというのだから、改善の必要性が高いことは明白だ。

 今月下旬より、野菜を汁物に加える、ふりかけ使用を試行するなど、対策が行われる。これまでは生徒が持参した調味料やふりかけを加えることは禁止されていた。また、「選択制(給食か家庭弁当持参か選べる)」の導入も検討するという。

 ただし、実際にはこうした対策を悠長に練っている場合ではなく、一刻も早い全面的な見直しが必要とされている。「残食率」報道に合わせて、食事に頻繁に異物が混入していたことも明らかになってきたからだ。具体的には髪の毛、糸くず、プラスチック片、ハエなどの虫、金属のようなもの……火を通したはずの肉が赤かったこともあったという。衛生管理が致命的に不足しており、美味しさ云々のレベルではなく、非常に危険だ。これでは生徒は完食どころか、一口食べることすら怖くなるだろう。生徒たちは好きで残しているのではなく、「食事を与えられていない」のと同じなのではないか。ふりかけをかけても、髪の毛の混入した白米は食べられないだろう。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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