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育児イベントが「ママのため」に偏りがちな問題と、「ママ」を狙ったビジネスに注意したい話

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Photo by kiwi huang from Flickr

 先日、友達とともに子連れで、二子玉川ライズで開催されていた「mama fes(ママフェス)2017 Autumn」に行ってきました(ちなみにその友達とは同じ産院で1日違いで子供を産んだ時に知り合い、今もたまに遊んでいるのですが、そういう場合ママ友って呼ぶんですかね?)。

 その名前からも想像できるとおり、「ママフェス」は、ママ向け・子連れ向けのイベントです。2010年から開催されていているそうです。昨年以前のことはわかりませんが、今年は、「ママフェス」メルマガ会員になれば入場料無料。受付でリストバンドと手土産の入った紙袋(後述します)を貰い、リストバンドを身に付けていれば何度でも出入り可能でした。会場内にはフードショップもフードエリアもなく、アイスや栄養ドリンクの試食・試飲が行われている程度でしたが、食事でいったん会場を離れてもまた戻ってこられます。

 会場内はいくつかのブースに分かれており、メインステージでは子持ち女性芸能人のトークショー(千秋や鈴木亜美やhitomiが登壇)や、キャラクターショー(ドラえもんやアンパンマン)、ワークショップでは産後エクササイズやヘアアクセ作りやバースデーパーティーレッスン(男の子ママ向けと女の子ママ向けに分かれていました!)。ママメディア&イベントエリアでは、協賛企業による商品サンプル(アイスやおむつやスキンケア用品や英会話)やパンフレット(保険や)の配布、抽選会、体験コーナー。子供にハロウィン系の格好をさせて(持参のスマホで)親子写真を撮ってもらうフォトブースなんてもののもありましたが、参加条件としてアンケート記入やらLINE友達追加やらアプリ取得が条件になっていたので面倒に。子供向けだと、ロディやラングスジャパンのおもちゃで遊べるブースが用意されていましたが、総合的に見て、ママ向け8.5:子供向け1.5だったように思います。

 来場者はほぼ親子連れなのですが、母子×23組というグループが極めて多く、大人の男性(父親)は少なめでした。子持ち男性が関心を持ちそうな、あるいは子持ち男性が訪れることを前提としたブース自体ほぼ皆無だったので、「ママフェス」主催者側も、父親が来場することをはなから視野に入れてなかったのではないでしょうか。「ママ」って、罪深い言葉だと思います。男性も家の外で仕事をするだけでなく家庭の中で必要な仕事(家事や育児)に取り組むべきだと言われて久しいのに、特に育児については「イクメン」なんて造語までつくって男性が主体的に育児に取り組むことを推奨する空気が醸成されているのに、ここには子育てする男性を受け入れる雰囲気がありませんでした。「ママ」と名のつくイベントや商品は、結果的に「パパ」を育児から排除しているように思います。それでいいのでしょうか。このイベントを通じて私が感じた最大の問題点はこれでした。

 そしてもうひとつ、違和感を感じたことがあったのです。それは「ママ」に何かしらの資格をとろう、と推奨する類の動きについてでした。

資格取得には、そこそこお金がかかる 

 受付時にリストバンドと共に貰った紙袋の中身は、主にサンプル品(キットカットやロゼット保湿クリームやシール)だったのですが、今回の「ママフェス」にも出店している「一般社団法人ベビードリームアート協会」の広告が2枚入っていました。うち1枚は「インストラクター養成講座」の案内で、もう1枚は「お誕生日アートと魔法のあやし方講座」の案内。ベビードリームアートなんて興味を持ったこともなかったので、よくよく調べてみたのです。

 ベビードリームアート協会のHPによると、「ベビードリームアート」とは、<赤ちゃんの周りをお家にあるものでデコレーションして、 写真をパチリと撮影。 ふわふわ空を飛んだり、 がたんごとんと乗り物に乗ったり。 時には絵本の主人公になったような。 そんな、最高に可愛くて夢いっぱいの赤ちゃんのアート写真>とのことで、<ベビードリームアート協会ではそんな赤ちゃんのアート写真を通して、全国のママの笑顔のお手伝いをしています>とのこと。今から56年ほど前に、テレビで赤ちゃんの「寝相アート」を取るママさんが紹介されているのを偶然見たことがあり、赤ちゃんが寝ている時を狙ってアート写真を取る、という話だったと記憶しています。

 そしてここ23年、インスタサーフィンをすると、誕生した我が子の月バースデー(1か月~1歳まで続くことが多い)や100日記念や桃の節句や端午の節句やハロウィンに撮ったと思われるアート写真を、結構な頻度で見かけます。大抵は自宅で撮影スペースを使って飾りつけしたり、紙おむつで「〇か月」の文字を作ったり、といった感じなのですが、まさか協会なるものができていたとは(設立は平成28412日だそうです)。さらにインストラクターなんてものがあるとは。なんでも商売になるものなんですね。

 この協会では、「ベビードリームアートインストラクター養成講座」なる講座が行われており、この講座を受けることで、個人撮影会を開いたりママフェスに出店したい方向けの資格「ベビードリームアート協会認定インストラクター」を取得できるそうです。受講費用は、基本料8万円と(税別)とテキスト代1万円(税別)で、トータル10万円ほど。協会HPに、この資格を取得した方々の名前&写真が掲載されているのですが、2017105日現在36名、全員女性です(掲載されている方だけで全員なのかは不明)。手形アートアドバイザーや認定アルバム大使やおもちゃインストラクターやタイ古式マッサージなど、資格を複数保持している方もいれば、保育士や教員等の国家資格を保持している方もいます。

 では、この「ベビードリームアート協会認定インストラクター」なる資格を持つ彼女たちがどのような活動をしているのか。協会HPには、彼女たちが各々の居住地付近で開催しているイベント(撮影会)について、案内があります。撮影会のみのものがほとんどですが、中に手形アートや乳児英語やおうち整体とのコラボ企画もあります(他の資格を保持している人とタッグを組んで開催するような感じですね)。場所は、地区センターや親子カフェなど子連れにやさしい場所か、やはり子連れ向けのイベントブースでの出店か、主催者の自宅といったところ。いわゆる「自宅サロン(主婦サロン)」みたいな感じですかね。参加費は1,0003,500円前後、募集人数に制限がある場合も多く(親子6組までなど)、開催頻度は多い方でも週23回。これで、主催者の収益はどれだけあるのでしょうか。

 はっきり言って「ベビードリームアート協会認定インストラクター」は稼げる資格とは思えないし(むしろ赤字なんじゃ)、この資格だけで生計を立てるのは難しいでしょうから、夫に扶養されながら趣味程度に活動しているか、あるいは不労所得があるなどで生活費が安定しているとか本業には別の仕事がありその傍らでやっていくかのどちらかだと思われます。とはいえ、小さな子供を(親同伴とはいえ)迎える以上、リスクや責任が全くないというわけにもいかないんじゃ……と余計な心配もしてしまい、「趣味の範囲」でやるにしてはトラブルが怖いような気もしてしまいます。

 ちなみに、「お誕生日アートと魔法のあやし方講座」は、協会主催なのですが、「講座」と銘打っているだけあり、いささか値が張ります。たとえば、「お誕生日アートの作り方講座」は、“たった2時間でかんたんにかわいいお誕生日アートが誰でもつくれるようになります”“おうちで家族といっしょに撮影できるバースデーアートセット付き!”などと書かれていますが、講座座の時間帯を見ると13:3015:00とか10:0011:301時間半になっており(えっ、2時間じゃないの?)、受講料は5,000円。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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