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ワインスタインの性的暴行を「女優が誘う枕営業もあるのに」と軽んじる『バイキング』の異常と、バラエティ番組のエンタメ的売春消費について

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『バイキング』(フジテレビ)公式ホームページより

 映画プロデューサーとして数々の作品でアカデミー賞を受賞しているハーヴェイ・ワインスタイン氏が、複数の女優・モデルから、過去の性的暴行を告発された事件。事態は日々展開をみせ、1012日にはアカデミー賞を運営する映画芸術科学アカデミーがワインスタイン氏を追放するという重い処分を下すに至った。

 日本でも連日取り上げられているワインスタイン事件だが、1018日に放送された『バイキング』(フジテレビ系)は、性的暴行がまるで、エンタメの中で消費される数ある話題の中のひとつでしかないような軽々しい扱いをしていた。

女性が主体的に「枕営業」しているというスタンス

 コーナー冒頭で事件の経緯について紹介したのち、番組の司会を務める坂上忍が「ワインスタインさんがやったことは確かに悪いことなんですけど、逆もありでしょう、女優さんのほうから実力者に」と、ゲストの梅沢富美男に話を振る。すると梅沢は、「枕営業なんて言葉がね、飛び交っているからね。こんなことは昔からじゃないの。私、言っていいなら喋るけど。こんなことやっているやつはいっぱいいるよ。気をつけろ、本当、テレビ局も映画監督も」と話し、さらに坂上は「(ワインスタイン)本人はあれは全部合意なんだとおっしゃっていますよね。じゃあ合意の部分も善(?)なんですか? 女優からいったパターンもあるんじゃないですか? って考えられなくもないって思うんですけどね」と続ける。

 ワインスタイン氏による性的暴行の問題よりも先に、女優による「枕営業」の話題を持ちかける坂上。この「枕営業」を話題の中心に置こうとするスタンスは、本コーナーの中で繰り返される。

 また、松嶋尚美は「自分から枕営業して、この人(ワインスタイン)が受け入れたら犯罪じゃないと思う。この人は、女の人関係だけがだらしないわけじゃなくて、偉そうさも敵を作っていそうっていうか。本当に人がいいだけでここだけが悪いポイントだったら、アカデミー運営団体から、(追放という重い処分は)出されないんじゃないか。人間性全部が傲慢(だったんじゃないか)。こいつさえ落とせば自分がトップに立てるって思ってる人ばっかりの中でやってるのに、もうちょっとさ……」と性的暴行の問題性を軽んじるような発言をしている。さらに、坂上から「うまいやりかたがあったんじゃないの、みたいな?」と聞かれれば、松嶋は「そう、口の固い……」と、梅沢は「口の固くて、ケツの軽い女?」と返してもいた(発言者不明だがゲスト出演者の誰かが「一番いい(女)」という発言もしている)。

 梅沢は、ワインスタイン氏が自身の権力を使ってモデルをホテルの一室に誘い込もうとする手口を記録した音声が流れたあとに、「モデルをナンパしたことが失敗だよな。モデルさんって、(自分が)女優さんって意識が遠いから」とまで言ってのけていた。ワインスタイン氏の手口がより巧妙であれば、この問題は発覚しなかったし、それでよかった、とでも思っているのだろうか。

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