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「103万の壁」が「150万の壁」に変わる! 「配偶者控除」でおさえておきたい最低限のポイントを解説。

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生き延びるためのマネー/川部紀子

生き延びるためのマネー/川部紀子

 こんにちは! ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。

 秋らしい日も増えてきました。今年もあと2カ月少しですね。

 今回は、来年から変わる「夫婦のお金に関する制度」について解説していきたいと思います。夫婦といっても、いろいろ。今回の法改正は、それぞれが食べていけるようなレベルでフルタイムや自営業で働いていれば関係ないのですが、一方がいわゆる「扶養の範囲」内で働いている場合には重大な問題になるものです。今後の働き方について考えるきっかけにすると良いと思います。

 また、今は、扶養されることなく働いていても、将来的には、出産や育児で一時的に扶養の範囲内に仕事をセーブする可能性がある方は、最低限の知識として意識しておきましょう。

何がどう変わるのか?

 結論から書くと、今回の法改正で所得税のお得サービス「配偶者控除」と「配偶者特別控除」が変更になり、今まで以上に働いても同じお得を受けられる人と、全く働かなくてもお得が減ってしまったり、お得がゼロになる人が出てきます。

 話を分かりやすくするために、夫が会社員で妻がパート勤務と仮定して解説していきましょう。

 今までは、妻の年収が103万円以下であれば、夫の所得税が安くなる「配偶者控除」を一律で受けることができました。夫がメインで働き、妻がサブで働くという夫婦も多いですし、所得税が安くなるのは家計にとって嬉しいことなので、妻は年収を103万円以下で抑えるように働いていたわけです。よく聞く「103万円の壁」は、まさにこのことを指しています。

 でも、来年からは、妻の年収が103万円以下であっても、夫が年収1120万円を超える高収入の場合は、今までよりも配偶者控除を減らされてしまうことになりました。1120万円超というと、平均的な会社員の年収よりもかなりリッチな層です。さらに、夫の年収が1220万円超の場合は、配偶者控除がナシになります。年収の高い層に所得税を多めに払ってもらうということで、よろしいことなのではないでしょうか。

 もう1つの変更点は、夫の年収が1120万円以下なら、150万円まで働いてもOKというもの。これは夫が平均的な年収の方で、いままで「103万円の壁」を意識して、働く時間をおさえていた人にとっては朗報かもしれません(配偶者控除ではなく「配偶者特別控除」を受けることになりますが、控除額、つまり、お得額は変わりません)。なお、年収150万円超働いたとしても201万円までなら、お得額は減りますが、ちょいちょい配偶者特別控除が受けられます。

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川部紀子

ファイナンシャルプランナー(CFP® 1級FP技能士)。社会保険労務士。1973年北海道生まれ。大手生命保険会社に8年間勤務し、営業の現場で約1000人の相談・ライフプランニングに携わる。その間、父ががんに罹り障害者の母を残し他界。自身もがんの疑いで入院する。母の介護認定を機に27歳にしてバリアフリーマンションを購入。生死とお金に翻弄される20代を過ごし、生きるためのお金と知識の必要性を痛感する。保険以外の知識も広めるべく30歳でFP事務所起業。後に社労士資格も取得し、現在「FP・社労士事務所川部商店」代表。お金に関するキャリアは20年超。個人レクチャー、講演の受講者は3万人を超えた。テレビ、ラジオ等のメディア出演も多数。近著に『家計簿不要!お金がめぐる財布の使い方』(永岡書店)がある

twitter:@kawabenoriko

サイト:FP・社労士事務所 川部商店 川部紀子】

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家計簿不要! お金がめぐる財布の使い方