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壇蜜の賢さとは? 痴漢を「エッチなカルチャー」と捉え、好きな男性には「何でもしてあげる」ブレない価値観

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『チマタの噺』(テレビ東京系)より

『チマタの噺』(テレビ東京系)より

 1024日深夜放送のトークバラエティ『チマタの噺』(テレビ東京系)に、壇蜜(36)がゲスト出演した。この番組はMCの笑福亭鶴瓶(65)とゲストが、合間に街頭インタビューのVTRを挟みながら、一対一でトークを繰り広げる内容だ。

 2010年に29歳でグラビアアイドルとしてデビューしてからすぐブレイクし、セクシーな女性の代名詞として扱われるようになった壇蜜。鶴瓶もその“色香”にグッときているそうで、壇蜜の表情、仕草、言葉に「何かあんねん、なんやろそのやらしさ。昭和のスケベさ。エッチとかじゃないスケベなんやろな」と言えば、壇蜜は「スケベでごはんを食べています」と返す。

 彼女が“色っぽすぎる”ため、性犯罪のターゲットにされることがあるのではないか、という話題が出た。

壇蜜「みんな作ってるとか演技だとかいうんですけど、(幼少期から)いつもしっとりしてて」
鶴瓶「小学校6年生くらいのとき危なかったんちゃう? 近所の変なおじさんとか」
壇蜜「そう、だから(用心のために)母と祖母が私の髪をすっごい短く(襟足を刈り上げるほどに)切ってて」

 鶴瓶は、成人後の痴漢被害経験についても聞く。この二人のように一般大衆に顔の知られた著名人が満員電車に乗車する機会が今もあるとは想像もしなかったが、あるようだ。

鶴瓶「(そんなに色っぽくて目立つので)道を歩いてても街に溶け込む?」
壇蜜「電車に良く乗るので『降ります、降りますー!』と言って、周囲に見られたりはする」
鶴瓶「(痴漢に)触られへんの?」
壇蜜「あー1度だけ。とある京ナントカ線で。京ナントカ線で髪の匂いをしこたま嗅がれました」
(爆笑)
壇蜜「だーれ、私の髪の匂いをスーハーするのはだーれって」
鶴瓶「そりゃ前に壇蜜おったら匂い嗅ぐと思いますよ」
壇蜜「すごかったです、髪の匂いなくなるんじゃないかって」
鶴瓶「俺は満員電車だったら腰引いて手を上にあげるもん。股間が誰か女性に当たったら何か言われると思うから」
壇蜜「とりあえず腰は引いて触ってないような意思表示をするわけですね」
鶴瓶「そっちはそんな(気苦労は)ないやろ? 女の人やから」
壇蜜「いやいややっぱり、それは、それっぽくしていたら、危ない目にあいますよ。だってそういうものがその人(痴漢)にとってのアピールになっちゃったら、どっちが悪いとかじゃないですもん」

 どのような格好をしていても、また、たとえば電車内で寝ていたとしても、痴漢被害が自業自得で片付けていいものだとは考えられないのだが、壇蜜としては、男性が女性の性的なアピールを感知して痴漢行為に及んだとしたら「女性も悪い」と認識しているようだ。

 女性側が性的なアプローチの意図を持たなくても、それを目にした男性から「これは性的だ」と受け止められてしまうことがある。だから女性は自衛し、男性を刺激しないよう気をつけなければいけないというのは、よく聞く論だ。

 鶴瓶も壇蜜と同じように考えているようだ。

鶴瓶「女の人から見て、この(格好している女の)人はアカンでっていうのあるやろ?」
壇蜜「はい、あります」
鶴瓶「今日もジョギングしてはんねんけど、(見掛けたジョギング中の女性が)スパッツ穿いててもう“尻”やねん。パンツ穿いてはらへんねん」
壇蜜「パッツンパッツンですか」
鶴瓶「そこ見てまうやんか」
壇蜜「見てしまいますね。危険物ですね」
鶴瓶「追い抜かして前から(股間を)見たいなって」
壇蜜「(股間が)どら焼きみたいになってますよね」

と、下半身のラインをカバーしない服装の女性ランナーに「エッチでアカン」認定している。

 ちなみに後半、耳にピアスの穴をあけていたが傷になってしまったという壇蜜が長い髪をかきあげてその傷を見せる場面で、鶴瓶は「こりゃ匂い嗅ぐのもわかるわ」と笑っていた。

 一連のトークからは、痴漢を暴力や犯罪ではなく“エッチなカルチャー”として捉えていることと、一方で痴漢冤罪については深刻な問題だと捉えていることがわかる。鶴瓶が発言した「自分は痴漢に間違われないよう電車で気を遣うが、女の子はそんな気苦労はないだろう」という質問からは、実際に痴漢被害に遭ってその暴力性に恐怖する女性の存在が一切見えていないことが伺える。

 壇蜜はいわゆる“エロ賢い”というホメ言葉を浴びることもあり、聡明な印象を抱くテレビ視聴者や雑誌読者は多いだろう。そして実際、彼女は賢いのだと思う。現行社会では、壇蜜のような態度が成熟した大人の女性としてあるべき姿で、男性を手玉にとってこそ女性は上昇できるとされている節があるからだ。「結婚したら絶対いいと思うよ」とすすめる鶴瓶に、壇蜜はこう返していた。

「何でもやってあげますよ。だから女の人の自立とか(言う人には)、やいのやいの言われちゃうかも。何でもやってあげちゃうから。男の人がゴミ出ししたりパンツ畳んだりするの、見たくないですね」

 無闇に敵をつくらず、社会の荒波をしなやかに泳ぐ。それはそれで壇蜜流の生き方なのだろう。壇蜜は過去にも性犯罪について寛容でいることが、女性として快適に生きるひとつのコツだと諭している。ブレがない。

 昨夏、朝日新聞紙面の悩み相談コーナー<悩んで読むか、読んで悩むか>に掲載された、壇蜜による「お悩み相談への回答」も、少女に“大人の対応”をすすめるものだった。

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 12歳の女子中学生から寄せられた、「毎日のように、特定のクラスメイト男子から『今日のブラジャー何色?』『胸をもませるかパンツを見せて』等と言われて困っている。その都度『嫌だ』と拒絶しているが一向にやめてくれない」という相談に、壇蜜は「今の貴女に必要なのは勇気と余裕」とアドバイスした。

『悪ふざけには貴女の「大人」を見せるのが一番だと考えます。次に見せて触らせてと言ってきたら、思いきってその手をぎゅっと握り「好きな人にしか見せないし触らせないの。ごめんね」とかすかに微笑(ほほえ)んでみてはどうでしょうか』。さらに『ちなみにその困った君はきっと貴女が好きで、ちょっかいを出すしか愛情を示せないのでしょう』

 壇蜜の解釈では、相談者を悩ませているクラスメイト男子は「悪ふざけ」のつもりで、これは「甘酸っぱい恋の話」に過ぎない。それゆえ、相談者が大人の対応を見せれば解決するだろうという。ユーモアのつもりだったのかもしれない。そんな彼女が、痴漢についても被害軽視の価値観を持っていることには、今さら驚きはない。

 朝日新聞の相談記事はweb上で「壇蜜さすが」「知性と教養を感じる」と称賛を浴びて拡散された。壇蜜にとってはすべて自身の株を上げるための利己的な戦略でしかないのかもしれない。けれど、こうした壇蜜の言葉に影響を受ける男性や女性は少なくないだろう。「NHKにも読んでいただける」ほど著名になった自身の立場を、壇蜜はもう少し考えても良いのではないだろうか? 賢いというよりも、あさましい。

ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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