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不倫報道で「許せない」女性芸能人はいても、「許せない」男性芸能人は表面化しない

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矢口真里

矢口真里Instagramより

 著名人の誰々が不倫をしたという話が日々マスメディアを賑わせている中、「気になるアレを大調査!」するニュースサイト「しらべぇ」が、「許せないと思った不倫報道の女性芸能人」を調査し、ランキングにして発表していた。

「許せないと思った不倫報道の女性芸能人」ランキング 1位は大人気タレント!?

 <芸能人の不倫報道が相次ぐ昨今、パートナーや世間を裏切る行為に怒りを感じる人もいるだろう。中には「この人だけは許せない!」と思う人もいるはず。そこでしらべぇ編集部は、全国2060代の男女1,354名を対象に「不倫報道のあった女性芸能人」の中から「許せない」と思った女性について、複数回答で調査を実施>とのことだ。

 「許せないと思った不倫報道の女性芸能人」ランキング、その結果は、1位矢口真里(47.1%)2位上原多香子(41.7%) 3位斉藤由貴(36.3%) 4位ベッキー(26.7%) 5位マギー(14.5%)。このような調査を行ってランキング発表することに何の意義があるのか大いに疑問ではあるが、彼女たちのうちマギー以外はCM降板や活動自粛などの“制裁”を受けている。マギーに関しては制裁を受けていないから「許せない」そうだが、上位4名は制裁を受けたとしても「許されていない」。結局のところ、不倫した女は、謝罪しようがどうしようが「許せない」存在なのかもしれない。田中裕子や樋口可南子はすでに許された存在に見えるが、時間が解決したのか、それとも時代性か。

 なぜ「許せない」のかというと、不倫発覚によって「良い人ぶっていたのに、悪い人だった」と感じるからだろう。「裏切られた」「欺かれていた」と、屈辱的に思ったりもするのかもしれない。芸能界という業界の表側にいる人びとは、多かれ少なかれイメージを商売にしているからだ。そこに嘘があってはいけないと、消費者は捉えている。

 不倫は犯罪ではないものの、配偶者や子供を裏切り、騙す行為だとの認識が強い。快楽主義者の印象も与える。そうした人物がマスコミに重用され、誠実そうなふりをして画面に登場すること自体に、耐えられないほどの嫌悪感を覚える視聴者が少なくはないのだろう。それゆえ、「(何食わぬ顔をしてテレビに出ることを)許せる/許せない」のジャッジを下したくなるのかもしれない。

 しかし、しらべぇサイト内に「許せないと思った不倫報道の男性芸能人」のランキング結果を発表している記事はない。男性芸能人の場合、商売に必要なイメージに「配偶者に貞淑であること」や「誠実さ」が含まれていないのだろうか。

 また、多かれ少なかれ「嘘」のない素顔のままのイメージを商品化している芸能人など存在しない。見えているものはつまり、見せているものなのだ。あくまで意図的に繕われた一面でしかないものを、あたかもすべてであるかのように受け止めて信じ込む姿勢は、消費者として危険だと思う。そして不誠実な側面を持つ芸能人に不快感を覚えるとしても、視聴者の「許す/許さない」という声は直接的な影響を持たず、業界内政治で恣意的に利用されていくだけだ。

 不倫ぐらい……と軽んじることも(当事者間の感情問題としては)決して出来ないが、しかしそもそも直接彼女らの不倫行為によって迷惑被ったわけでもない一般市民が、「許せる/許せない」を判断する立場にあるとも言えない。一歩引いて、距離をとった場所から芸能人の不倫報道を眺めてみると、どうでもいいことのはずだ。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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往復書簡 初恋と不倫