そして第2話でもいわゆる“派閥”に入ることを拒否する智子。
「おかしくないですか? お前が入りたい委員会に入れてやるから前田議員(大澄賢也)は居眠りしてなかったよ、って嘘つけよって。(中略)だけどおかしいでしょ? 嘘ついて得するとかって! そんなこと言ったら正直者が損する世の中になっちゃうじゃないですか」
やや無理やりですが、智子が言うことは正しい。わからない言葉は、常に持ち歩く国語辞典からヒントを得る姿も社会人の基本。大半の人がもう諦めて見て見ぬ振りをしてしまうことを改めて「おかしい」と提示する、小さな正義感を学べるドラマだと思うのです。同時に、今は正しくないことや嘘がまかり通ってしまう社会であることも実感せざるを得ません。
そして見どころは他にも。毎回、藤堂誠議員(高橋一生)とデリヘル嬢(今田美桜)との交流シーンがあるのですが、高橋さんはもはや脱ぎ要員かのように毎度、細マッチョな肉体を披露。スーツ姿でもわかる細いウエストもお見事です。
仕事はできないけど家事は得意、妻と子どもが大好きと言う智子の旦那・公平(田中圭)。靴擦れをした妻の足を肩に乗せて手当てする、さりげない優しさと言ったら……! そして智子と同じく新人市議会議員になった岡本遼(千葉雄大)の着慣れていない感じのスーツ姿。こんないい男ばっかり揃った市なら、ぜひとも移住したい。どこにあるのか場所を教えてください。
さて『民衆の敵』。近年のドラマでは年下男子との恋愛や、働く女性の本音を代弁し続けてきた篠原さんが、今作品では政治家になって民衆の本音を代弁する役割を与えられています。最終的に智子は平凡な幸せを選びそうな気もするんですけど、できればここは国会議員まで登りつめて欲しいもの。こういう、現実世界では半ば諦めている嘘のない議員が存在したら一票投じますから。
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