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彼女たちが傷つきながらも複数の人とセックスをくり返すのはなぜ? 「メンヘラビッチ」のバックグラウンドを考える

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メンヘラ+ビッチ=闇が深そう? Photo by Dannyqu from Flickr

 メンヘラという言葉は定義が広がり、取り扱いがむずかしいと感じます。語源は「メンタルヘルス」で、メンタルヘルスに問題を抱えた人、いわゆる精神疾患者が自虐的かつ自助的に使っていた言葉でしたが、近ごろはそのニュアンスからは離れ、「病みやすく依存の激しい人」というように性質や性格を表す使われ方が増えてきました。

 便利な言葉ではありますが、正直に言うと私は安易に使うことはあまり好きではありません。自分が人を傷つけるコミュニケーションをしている責任を他人に押し付けるために、人のことを「あいつはメンヘラ」と呼ぶことが多いと感じるからです。

 そんななか私は「メンヘラビッチ」と自分たちを表現する女性たちに出会いました。メンヘラという言葉だけでも誤解されやすいのに、さらに解釈が人によって違いがある「ビッチ」という言葉が付いているってどういうこと? と疑問に思いました。

 私は人を見て「ビッチだ」と思うことはあまりないのですが、この言葉ははもともとの英語の意味からやや侮蔑や自虐のニュアンスを含み、「性に奔放で不特定多数の人とセックスをする人」「貞操観念が低い人」という意味合いで使われているイメージでした。

 私の定義では彼女たちをメンヘラだとは思いませんが、AV監督で作家の二村ヒトシさんは「引き裂かれて苦しんでいる人」をメンヘラと呼んでいるそうで、その定義に則っているのでしょう。

 メンヘラの定義は奥深いのでひとまず脇に置き、ここでは「メンヘラビッチ=セックスを複数人とくり返して傷ついている女性」とします。セックスで何かを削られるわけでなく健康的かつオープンに楽しんでいる人は、ここに含みません。

 それでは自分を「メンヘラビッチ」と表現するのはどんな人たちなのでしょうか。

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卜沢彩子

1987年生まれ。子どもの頃からの度重なる性被害経験を、2009年から実名・顔出しでサバイバーとして発信。個人やNPOで支援・啓蒙活動をつづけている。2016年に複雑化した社会問題を解決するためにA-live connectを開業。恋愛・性をはじめとした人間関係やコミュニケーションに関する相談や講演活動、記事執筆、SEX and the LIVE!!プロジェクトの運営など場作りを行っている。英才教育を受けたオタク。和柄とねこが好き。

twitter:@ayakourasawa

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