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リッチだという自覚がない「リッチ庶民」と、“本当の”お金持ちの差は、相続税にでる!

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 こんにちは!ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。

 近頃、「リッチ庶民」の親を持つ人の話をよく耳にします。「リッチ庶民」は私の造語。親も子もリッチである自覚がなく極めて庶民的ことが大きな特徴です。

 そんな「リッチ庶民」のお話を聞いていると「あれ? この方のお母さんが亡くなったら相続税がかかるかもしれないなぁ」と心配になります。税金は、払うべき人が払うものなのですが、とはいえ知っている人は税金対策を講じて得をして、何も知らない正直者はまるまる支払わないといけない、というのはちょっと解せないと思ってしまいます。

 というわけで今回は、「リッチ庶民」の親が亡くなった際にかかる相続税をテーマにしました。

地味でマジメな未亡人の母親はいませんか?

 相続税とは、親族が亡くなった際に財産を受け取った遺族が払うことになる税金です。以前の記事で書いた通り、相続税の対象となるのは、日本でざっくり上位10%に入るようなお金持ちだけです。その方たち以外は払う必要がない税金、という考え方もできます。

 上位10%の中でも、“本当の”お金持ちには、身近に税理士がいて、できる限りの相続税対策を講じているものです。相続税がゼロ円とはならなくとも、最小限度に抑えていることでしょう。

 それに対し、一般的な会社員や公務員はどうでしょう。

 夫婦の片方が亡くなったときは、ひとまず配偶者が財産を相続することが多いと思います。相続税には、配偶者に対する大きな優遇があるので、この段階ではあまり心配ありません。

 問題はその後です。皆さんには、下記のような母親はいませんか? このケースだと、相続税がかかる可能性があるのです。

 夫の方が先に亡くなるケースが圧倒的に多いのですが、その場合、預貯金だけでなく保険金、その他金融資産、年齢によっては勤め先からの弔慰金や死亡退職金、家や土地などを、親族が相続することになります。今回の場合は妻が相続したとしましょう。生前も、真面目に、そして、今よりも良い時代を生きてきた昔の会社員や公務員はコツコツ貯蓄もしているので、預貯金も多く持っています。

 妻にも自分の預貯金があります。そこに夫のあらゆる財産を相続するわけです。ふたつを合わせると、けっこうなお金になります。しかし、長年しみついた節約志向を変えることなく、さらに老後の心配でお金を使うこともせず、遺族年金や自身の年金も使い切らず、ひたすら貯蓄を増やしているという妻もいます。昨今の株高で、運用益まで生まれていれば、お金は増える一方です。これがまさに、リッチである自覚のない「リッチ庶民」です。

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川部紀子

ファイナンシャルプランナー(CFP® 1級FP技能士)。社会保険労務士。1973年北海道生まれ。大手生命保険会社に8年間勤務し、営業の現場で約1000人の相談・ライフプランニングに携わる。その間、父ががんに罹り障害者の母を残し他界。自身もがんの疑いで入院する。母の介護認定を機に27歳にしてバリアフリーマンションを購入。生死とお金に翻弄される20代を過ごし、生きるためのお金と知識の必要性を痛感する。保険以外の知識も広めるべく30歳でFP事務所起業。後に社労士資格も取得し、現在「FP・社労士事務所川部商店」代表。お金に関するキャリアは20年超。個人レクチャー、講演の受講者は3万人を超えた。テレビ、ラジオ等のメディア出演も多数。近著に『家計簿不要!お金がめぐる財布の使い方』(永岡書店)がある

twitter:@kawabenoriko

サイト:FP・社労士事務所 川部商店 川部紀子】

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家計簿不要! お金がめぐる財布の使い方