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アジア系が主役のドラマが大ヒット!~米国テレビ史の快挙+あれもこれも「アジア系」問題

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『フアン家のアメリカ開拓記』公式サイトより

 やや旧聞になるが、今年9月のエミー賞には歴史的な異変があった。なんとアジア系の俳優が最優秀俳優賞を勝ち取ったのだ。

 エミー賞はいわばテレビドラマ版のアカデミー賞だ。「ドラマ部門」「コメディ部門」「リミテッドシリーズ/テレビ映画部門」に分かれ、最優秀男優賞、同女優賞にそれぞれ6~7人がノミネートされる。

 異変は「リミテッドシリーズ/テレビ映画部門」で起こった。ケーブル局HBO制作のミステリー『The Night Of』主演の男優リズ・アーメッドが、ベネディクト・カンバーバッチ、ロバート・デ・ニーロといった大物を抑え、見事、栄冠を手に入れたのだ。アーメッドはイギリス生まれのパキスタン系二世であり、69年間にわたるエミー賞史上初のアジア系俳優の受賞となった。

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『THE NIGHT OF』公式サイトより

 アメリカのテレビドラマはかつて白人俳優の独壇場だったが、やがて黒人俳優が少しずつ出演するようになった。ある調査によると一昨年度の全連続テレビドラマの出演者のうち70%が白人、14%が黒人となっている。しかしラティーノは6%、アジア系は4%と活躍の場は今も限られている。

 もちろん昔に比べると増えてはいる。病院、警察、学校などを舞台とし、多数のキャラクターが登場するアンサンブル・キャストと呼ばれるドラマなら、アジア系俳優も起用されるようになった。最近ではダニエル・デイ・キム『Hawaii Five-0』(2010~)、ミン・ナ『スターゲイト・ユニバース』(2009-2011)および『エージェント・オブ・シールド』(2013~)などがある。残念ながらキムは今年7月に番組降板を発表。理由は「アジア系への出演料差別」と伝えられており、アジア系は出演を果たしても次なる障壁に阻まれることが証明された。

 そんな中、シャーロック・ホームズを現代に置き換えた推理ドラマ『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』(2010~)では、ルーシー・リューがワトソン役で気を吐いている。リューは準主役であり、出番も非常に多い。アジア系俳優としては大いなる快挙と言える。だがアジア系が主役を務めることは、過去にはほとんど皆無であった。

 しかし、 テレビドラマ界に突如として新風が巻き起こった。2年前のことである。

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堂本かおる

ニューヨーク在住のフリーランスライター。米国およびNYのブラックカルチャー、マイノリティ文化、移民、教育、犯罪など社会事情専門。

サイト:http://www.nybct.com/

ブログ:ハーレム・ジャーナル

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