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基本的な「家事」の水準が異常に高い日本。家の中でまでせっせと働かなくてもいいのでは問題(『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』佐光紀子)

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Photo by Stephani Spitzer from Flickr

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 子供が通う保育園では毎月1日に「保育園だより」「保健だより」「給食だより」が配られる。「保育園だより」には園長からのメッセージ、今月の行事予定、今月誕生日を迎える園児名、各クラスの近況などが記載され、「保健だより」にはその季節に気をつけたい風邪や感染症のことや虫歯予防についての情報がある。そして「給食だより」には、献立表とともに子供の食にまつわるアドバイス(旬野菜の紹介、苦手なものを食べられるための工夫など)が掲載されている。

 たとえば、「早寝・早起き・朝ごはん」と題して、朝ごはんを欠かさず食べることだけでなく、炭水化物・野菜・たんぱく質をバランスよく食べるように、食欲がない時はこれらを少量ずつ食べるよう書かれてあった。その内容が「食事は楽しく、手抜き料理OK!」「レトルトでも冷凍でもスーパーの総菜でもコンビニ弁当でもいいからできるだけバランスよく」というような、保護者に楽・手抜きを推奨したり、あるいはそのコツを伝授するようなものであったことは、これまで(18カ月間)一度もない。

 なぜこんな話をするのかというと、先日、興味深いタイトルの新書『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(佐光紀子著/光文社)を読んだからだ。そこには、日本では『ちゃんと家事』のプレッシャーが広く深く浸透していて、とりわけ女性は丁寧できちんとした家事に縛られ過ぎているのではないか、といったことが書かれていた。

 著者の佐光紀子氏は、翻訳者であり、家事・掃除のスペシャリストでもある。ある翻訳の仕事がきっかけで、重曹や酢など“自然素材”を使った家事に目覚め研究をするようになったといい、2002年出版の『キッチンの材料でおそうじをする ナチュラル・クリーニング』(ブロンズ新社)を皮切りに、『汚れおとし大辞典―ナチュラルク・リーニング』(ブロンズ新社)や『重曹大辞典――決定版』(ブロンズ新社)など、掃除をはじめとする家事の本を数多く出版。掃除講座を行ったこともある。そんな佐光氏が、なぜ「家事のしすぎ」が日本を滅ぼすと言うのだろうか。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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