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基本的な「家事」の水準が異常に高い日本。家の中でまでせっせと働かなくてもいいのでは問題(『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』佐光紀子)

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 以前、夫婦共稼ぎで子育てする家庭における家事分担が明らかに片方に偏りがちであることを、細かなタスク表を作って可視化し認識することがSNSなどでプチブームとなっていた。よそのご家庭のタスク表を拝見して、エッそんなに毎日やることってある? と少し驚いた。なるほど「家事をどれだけやるか」も清潔の基準も人によって全く異なるものなのだと。もちろんやりたい人はやればいいが、「これだけきっちりやらなければ、正しくない」なんて線引きはやめよう。前述の「早寝早起き朝ごはん」運動もそうだが、正しい家庭の水準があまりに高すぎる。朝ごはんに何を食べたって自由だ。

「たまにやる」程度で済ませたら

 共働きやシングル親家庭が増えていることはデータから明らかであり、家事に専念する人員を配置できない家庭は多いはずだ。家事に専念したいけれど、家計的にそうもいかないという人もいるのだろう。「子供には手作りのものを」「丁寧な家事」「丁寧な暮らし」を賛美する価値観が根強く、しかもネット普及の代償か一億層小姑社会あるいは一億総監視社会だなんて揶揄される今の日本は、時に息苦しい。

 掃除機がけが月1でも、風呂掃除は浴槽の汚れをシャワーで流すだけでも、食卓に並ぶ料理が手の込んだものでなくても(そして外食やデリバリーでも)、布団敷きっぱなしでも、寝るときまでベッドが朝起きた状態のままでも、洗濯物を畳まないでそのまま着ても、そんなことで「家庭機能の低下」などと憂う必要はないし、「正しくない家庭」のレッテルは貼られない。むしろ家事をサボり、手を抜いても、自分を含む家族がふつうに過ごせる快適ラインを探ってはどうだろうか。それは自分にも他人にも優しい価値観を育むことにつながると思う。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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