今年、田中さんは本当にさまざまな役を演じました。まず『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)では妻の妊娠中に不倫するわ、家に連れ込むわと一線級のクズ男を演じました。
「子供がいるって言ったら小雪さん、つき合ってくれなかったでしょ?」
聞くだけで憎悪が膨らむようなセリフも、田中さんが言うとどうしても顔がほころぶ。あのうるんだ瞳で言われたら、もうぐうの音も出ません。
そして『恋がヘタでも生きてます』(読売テレビ・日本テレビ系)では、ニューヨーク帰りのやり手若手社長。金持ちで優しい田中圭なんてもう二次元の世界に存在するとしか思えない役柄で、女性の心をがっちりと掴みました。
秋には『伊藤くんAtoE』(TBS系)で腹黒いドラマのプロデューサー役。そして現在は本作でイクメン、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)では気弱なドクターに。
並べてみるとわかるのですが、嫌な男といい男を繰り返して演じることで、田中さんはいつも私たちを(良い意味で)裏切り続けて魅了しています。その上、可愛いとかっこいいを詰め込んだような顔面でいて、脱いだら細マッチョ。今回、甘めの役の公平が、さりげなくTシャツを自宅で脱ぐシーンで披露した肉体美を見逃すことはできませんでした。あれでお腹がぽよーんとしていたら一気に親近感がわくのに、スキはゼロ。
芸能人、と言われる人たちには、学歴や理論武装というコンテンツで自分をガードするタイプもいます。いやむしろ多いかもしれないと感じる昨今。その中でも田中さんは多くを語らず、演技だけで自分の魅力をアピール。無敵です。
今年は各所で田中さんについて書くことが多かったです。それだけ彼が注目の人だったのでしょうし、個人的にも“猛烈にタイプの男性”として急上昇しました。でもふとプロフィールを確認すると、彼は二児の父親……あの魅力も妻あってこそなのね、となんだか不倫をしてしまったような気分に陥るのは私だけでしょうか。ああ、また彼の裏切る魅力に翻弄されてしまった……!
さて『民衆の敵』。リコールが始まって、市長の立場を追われそうになる智子。果たして彼女らしい政治を貫くことはできるのか。そして公平は次に何の味のパンを焼くのか? 秋ドラマの最終章にふさわしい、ハッピーエンドになりますように。
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