エンタメ

恋はケースバイケース〜たんぽぽ川村エミコさんの超個人主義な恋愛観/桃山商事『生き抜くための恋愛相談』

【この記事のキーワード】

個人主義だけれど恋愛はしたいし結婚もしたい

(撮影/尾藤能暢)

(撮影/尾藤能暢)

清田 川村さんは自分の哲学がちゃんとあると思うし、だからこそ「これはしたくない」ということがハッキリしている。でも日本には、女性のことを「自分をケアしてくれる存在」と思い込んでいたり、自己主張をする女性を嫌がったりする男性も一定数存在しているように思います。経営者の彼氏のような男性が多数派の社会では、不一致を起こす確率が高いということになりますよね。これが例えばフランスで生まれていたら違っていたかもしれません。

川村 えっ、フランスですか?

清田 フランスに限った話じゃないんですが、欧米は個人主義の文化なので、自分と他者は違っていて当たり前という発想がベースにある。なので、「なるほど、君はそういうふうに考えるんだね」「君と僕の価値観は違うから恋人にはなれないけど、友人になれたらいいね」とか、そう考える男性が多い。そういうタイプの男性のほうが、川村さんもコミュニケーションしやすいような気がします。日本は違っていることを良しとせず、個人主義を“わがまま”や“自分勝手”という意味で捉えがちなので……。

川村 私は人のせいにするのが嫌で、身に降りかかったことは全部、自分の責任だと思いたいんですよ。もちろん、恋愛で起こったことも自業自得だと思ってます。

清田 すごくストイックな考え方ですよね。そういう価値観は子どもの頃から?

川村 そうですね。中学と高校時代、風邪とかで休んだことはないんですよ。それも人に迷惑をかけたくないと思っていたから。ノートを貸してというのも嫌で、熱が38.5度あっても普通に行ってましたから(笑)。

清田 これは勝手な想像なんですけど、自分に厳しく生きていると、例えば自分に甘い人に対して怒りが沸いたりしませんか。

川村 そういうのはないですね。それで生きやすい人はいいじゃんって思うし、相談されたら「私にはわからないな」と言うかもしれないけど、別にそういう人がいてもいいと思うから。むしろ、そういうふうに生きられていいなという憧れの方が強いかも。

清田 その価値観、めっちゃカッコよくないですか?

川村 本当ですか?

森田 「人は人、私は私」が徹底していて本当にカッコいいです。

清田 それと、女性のお笑い芸人さんは「面白くなればなるほど恋愛が遠ざかっていく」と自虐的に語ったり、実際にバラエティ番組などでそう扱われることもあると思うんですが、川村さんにもそういう感覚ってありますか?

川村 いや、それは関係ないと思いますね。結婚する人はするし、しない人はしない。よく、「恋愛と仕事、どっちが大事なの?」と聞いてくる人がいるんですけど、その質問が一番嫌い! 仕事と恋愛、どっちも大事です。

森田 なるほど……。川村さんがメディアで発言されている恋愛観と、ここで話してくれている恋愛観のギャップが大きくて、正直驚いています。

川村 メディアでは迎合というか、合わせている部分があるんでしょうね。そういうふうに言った方が、みんな喜んでくれると思っているというか……。

森田 それが、例えばテレビのお仕事で求められるものだったりするわけですよね。

川村 ただ、表現方法は違うけれど、どちらも嘘はないんです。これまでの恋愛から導き出したルールとして、私は黙っていた方が彼氏できるし、出歩かないと恋が生まれないというものがあって。それをキャッチーな表現にして、“ブスは待て、ブスは出歩け、ブスはしゃべるな”という言葉にしています。こういう話は恥ずかしいからあまり言いたくないんだけど(笑)。

清田 川村さんには、超ぶっとい自分の芯みたいなものと柔軟な部分の両方があるように感じます。その芯と柔軟な部分は一見すると矛盾しているように思うけど、実は同じなのかもしれない。

川村 ただ、そこまで強気でもないですよ。

森田 “強気”ではなく、“強い”っていう印象を受けます。

川村 だから、知ってるんですよ、自分のことを。それだけだと思います。私は自分のことを知ってるだけ。

清田 名言すぎる……!

川村 でも、自分をいいと言ってくれる男性は少ないし、一人で生きていこうと覚悟を決めつつも、恋をしたい自分もいるんですよねえ。

森田 それは、自分の譲れない部分を大事にしたいという気持ちから生まれる覚悟や葛藤なのでしょうか?

川村 いや、違うんです。自分のことや一人で生きていくことは大事にしているけど、「一生、一人かもしれない」という恐怖がある。結婚ができないかもしれないという恐怖が……。

***

恋のルールは自分の経験からしか生まれないと語り、“人は人、自分は自分”という価値観を持っている川村さん。そんな自立した個人主義者でありながらも、結婚をせず、ずっと一人でいることには恐怖を抱いているといいます。後編では、恋愛がしづらくなったという現状と、解決法について、桃山商事と掘り下げていきます。

■川村エミコ(かわむら・えみこ)
1979年12月17日生まれ、神奈川県出身。ピン芸人として活動した後、2008年10月に白鳥久美子とたんぽぽを結成。『めちゃ²イケてるッ!』(フジテレビ系)、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)など多数のテレビ番組に出演中。
ブログ『川村エミコのカエルが寄ってきます…。』

(構成/重信綾)

1 2 3

清田代表/桃山商事

恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆などを通じ、恋愛とジェンダーの問題について考えている。著書に『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)や『大学1年生の歩き方』(左右社/トミヤマユキコさんとの共著)がある。

twitter:@momoyama_radio

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

生き抜くための恋愛相談