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ブルゾンちえみに求めているのは「素直じゃない女」ではなく「自身を肯定する女性」だった

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ブルゾンちえみ公式ツイッターアカウントより

 ブルゾンちえみとブリリアン(コージ・ダイキ)からなるユニット「ブルゾンちえみwithB」が、『ぐるナイ!新春おもしろ荘』(日本テレビ系)出演時に披露した新ネタ「素直じゃない女」が波紋を広げている。

 ブルゾンちえみwithBがブレイクするきっかけとなったのは、ちょうど昨年の同番組でキャリアウーマンネタを披露し優勝したことだ。戯画的に「イイ女」を演じるこのネタだが、強く自身を肯定する女性を描いており、多くの女性視聴者に受けのよいものだった。だからこそ今回披露した「素直じゃない女」にがっかりしたファンは多かったようだ。

 このネタは最初にブルゾンちえみがペットボトルに入った水を飲みながら独白するところから始まる。

ブルゾン「どうも素直になれない系女子です。特に気になっている相手、好きになっている相手には到底無理。だからやけに冷たい態度をとってみたり、そっけない態度をとってみたり。それで相手に誤解されて、『わたし、なにしてるんだろう……』って思う。だけど男子、これだけは覚えておいてほしい。『女のイヤはイヤじゃない』」

 セリフが終わると、ブリリアンのふたりが現れ、飲みかけのペットボトルを奪い取って飲みだす。ブルゾンちえみはわざとらしく「やだ、やだやだ、ねえ、私が飲んでいた水だよ」と嫌がるそぶりを見せるが、ペットボトルを奪い返したりなどはしない。

ブルゾン「要は照れてるんだよね。照れ隠し。それで喜んでいる自分が恥ずかしいんだよね。でも何度も言うようだけど覚えておいてほしい。女のイヤはイヤじゃない」

イヤよイヤよも好きのうち?

 昨年は、ハーヴェイ・ワインスタインのセクシュアルハラスメントが告発され、日本でもジャーナリストの伊藤詩織が同じくジャーナリストの山口敬之からレイプ被害を受けたことを告発した年だ。さらに12月には、ブロガー・作家であるはあちゅうが、電通勤務時代に受けたセクハラ、パワーハラスメントを告発している。これらはすべて女性の意志に反し、男性が性暴力やハラスメントを行ったというものだ(もちろん性暴力やハラスメントは、必ずしも女性が被害者で男性が加害者というわけではない)。こうした中で、まるで「女性は嫌がるそぶりをみせているけれど素直じゃないだけ」というメッセージを発するこのネタは、時勢に反したものだったため、時流に敏感な視聴者には強い違和感を与えた。

 さらに同番組に出演していた女優の綾瀬はるかは、ネタ披露後のブルゾンちえみに「本当にイヤなときもありますよね?」と質問している。その質問に対してブルゾンちえみも「そうなんです」とすぐさま返答していた。あくまでネタとして疲労はしたが、ブルゾンちえみも違和感を持ってはいるのかもしれない。一方、出川哲郎はブルゾンちえみのネタに共感を示し、「女のイヤはイヤじゃない。チューしようとして嫌がる女の子も、『俺がチューしたい気持ちの方が勝っている』と言うとほとんど出来る」と頓珍漢な感想を述べていた。ブルゾンちえみのネタをみて勘違いをする男性が多いとは思えないが、「女のイヤはイヤじゃない」と思い込んでいる男性はいるのかもしれない。

 おそらくブルゾンちえみwithBが昨年ブレイクしてからずっと求められてきたのは、セクハラやパワハラなどが当然のように行われる社会の中で、出川のような勘違いした男性がいる中で、堂々とNOを突きつける女性像ではないか。「素直じゃない女」や女性を過剰に戯画的に描き揶揄するネタは別に物珍しいものではない。今回の新ネタに視聴者から批判や落胆の声が上がっているのは、それだけブルゾンちえみへの期待があったからだろう。

 2018年の始まりにこうしたネタが披露されるのは残念である一方、批判や落胆の声があがるということは、それだけ社会に問題意識が根付き、新しいモノへのニーズが顕在化してきているということでもある。この流れを途絶えさせることなく、2018年が誰にとっても生きやすい社会に近づく一年であって欲しい。
wezzy編集部)

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