まだある。コラムニストの山田美保子が、はあちゅうの告発と、その後に起きたはあちゅうへのバッシングを指摘すると、坂上は「詳細に経緯を説明してくれないと安易に酷いねって言いづらいですよね」という。性的な内容がセカンドレイプに繋がり、好奇の目を向けられる現状で被害者が、被害の経緯を説明するのがどれだけ困難なことなのかわからないのだろう。説明するということは当時の状況を思い出さないといけない、ということだ。しかもそれを警察など関係機関だけでなく、坂上のような人間にも納得してもらえるように、公に説明しなければならないのだとしたら、その負担はさらに重くなる。
そもそも自分の態度が、安易に枕営業を持ち出して、セクハラ問題を無効化していることに気づく素振りも見せない坂上に、いくら被害の経緯を説明しても納得などしないだろう。放送の中で坂上は「セクハラを受けるのは女性だけじゃない」とまで言っていた。これがもし女性たちが告発したセクハラの問題を真摯に受け止めた上で、「しかし被害に合うのは女性に限らない」といっているのならまだ違っただろうが、告発者を疑うような態度を示し続ける坂上が言えば、「男性も被害に遭うのだから、女性の被害もごちゃごちゃ言うな」と聞こえて当然だ。そのくせ坂上は最後に「日本もちょっとずつだと思いますけど、変わっていきますよ」とのたまう始末だ。
坂上は、前述した小木のコメントから始まる一連のやりとりのあとに、「それをアメリカでいったら大バッシングですよ」と発言していたが(ちなみにここでも小木は「俺の意見ではないですよ」と強調している)、日本では問題ないという認識のようだ。小木もコーナーの最後に「日本でこれ(一連の運動)があったとき、おしまいですよ、俺」と言っている。坂上も「収録中に盛り上げるために下ネタでいじったら『はい、訴えます。VTRとれてます』みたいなのが出てきたらどうするの。……ああ、おれもおしまいだわ」とも返していた。現在の日本なら許されるし、ハリウッドと同じようなことが日本でも起きている、ということなのだろう。「おしまい」を予感する当時さであり、枕営業を知っていながら、どこまでも他人事の出演者だった。
そしてコーナーの最後、小木は「日本はやめましょう、こういうのはね」とコメントしていた。「こういうの」は「セクハラ」のことなのだろうか。小木の発言を聞いていると「セクハラ告発(をやめましょう)」を指しているように思えてならない。
(wezzy編集部)