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ワンオペ育児を乗り切るため「子供用の場所にとらわれず、親が楽しいことをする」選択

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『VERY2月号』(光文社)

 昨年は「ワンオペ育児」に多くの関心が寄せられた1年だったと思う。ユニ・チャーム「ムーニー」のCMがワンオペ育児を肯定・賛美していると見られて議論になったことも記憶に新しい。多くのメディアでワンオペ育児特集が組まれ、ワンオペ育児やそれに付随したテーマの書籍も複数出版された。2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にも、「ワンオペ育児」はノミネートされた。

 ワンオペ、つまりワンオペレーションでの育児は、保護者である大人がひとりで乳幼児の世話をすることになる。できるかぎり安全に配慮して整理した自宅内にいても、幼児が危険な目に遭わないか神経を尖らせている保護者は少なくないと思うが、四六時中その状態では心身の休まるときがない。

 私はできれば、保育園利用のうえでさらに両親で分担したり、祖父母や親戚や友人・知人など他人の手を借りたり、一時保育を利用したり、複数の大人が関わるかたちで子供を育てることが、親自身の心身の健康にとって好ましく、ひいては子にも利すると考える。だがなるべく長時間、我が子と関わりたいし、自らの手で育てることを望む保護者もいるだろう。祖父母や保育士からあれこれ口を出されて逆にストレスになることもあるだろう。また、シングル親だったり、パートナーが育児に時間を割けなかったり、祖父母が遠方在住だったり関係が良好でなかったりなどでワンオペ育児にならざるを得ない保護者もいるだろう。そんなとき、どうしたらいいのか、どう乗り切ればいいのか。

 「VERY20182月号(光文社)の企画「ワンオペ育児 エンジョイ宣言!」は、ひとつの解答を提示していた。「VERY」は、主婦であり母であることに誇りを持ち、家庭に重きを置く(生活費にゆとりのある家庭の)ママを応援する類のライフスタイル・ファッション誌だが、意外にも保守的な母親像からの逸脱を積極的にすすめる媒体でもある。「ワンオペ育児 エンジョイ宣言!」の企画は良い意味で世間の空気を気にしない、むしろ自分たちのやりやすいように変えていこうという軽やかさを感じる。

 同誌のワンオペ育児エンジョイ宣言3箇条は、こうだ。

1)子連れだからって気後れせずどこへでも出かけちゃいます
2)家事育児のストレスは、思い切って代行サービスや外食などで解消!
3)オシャレは、自分がハッピーになれるかが基準! 制限があるなかでも楽しんじゃいます。

  企画には「ワンオペ育児エンジョイ中」のママ6人が登場。6人とも子供を乗せたベビーカーを押している。子供の年齢ははっきりと記載されていないがおそらく01歳くらい。ちなみに6人とも現時点で子供は第一子のみのようだ。

 彼女たちは、子連れでの朝カフェをしたり、インスタグラム投稿に凝ったり、夜自宅に近所のママと子供たちを呼んでのママ女子会、仕事後に保育園のママ友と子連れ外食(夕飯)、ショッピング、ママズクラブシアターを利用しての子連れ映画鑑賞、などなど、フットワーク軽く子連れ外出を楽しむ。ワンオペ育児の場合、専業主婦なら一日中、ワーキングマザーなら仕事と通勤以外の時間は子供の傍を離れることができない。母親ではない時間を持ちにくく、一人の人間としてリフレッシュもできないことが疲弊につながる一因と考えられているが、ならばいっそ、自分の好きな場所に子連れで出かけてしまえばいい、というわけだ。

 子供向けに用意されたわけではない場所に、子連れで行くことを、ためらう親は少なくないのではないか。そして、子供向けでない場所に子連れがいると、眉をひそめたり「付き合わされる子供がかわいそう」と非難したりする人もまた、少なくない。しかし、子供を産んだら「子供向けの場所」しか居場所がなくなる、つまり、それまでいた居場所を奪われ排除されるとしたら、ますます親は孤独だ。私は子供向けにしつらえられた場所に、自分の居場所を限定されたくはなかった。

  企画に登場する6人のママたちは、「01歳の子供1人」だからフットワーク軽く動ける側面もあるだろう。子供が23人といればママの荷物も負担も増すだろうし、子供の年齢が1歳半、2歳……と上がれば外出時も子供のイヤイヤに振り回されたり、公園などの遊び場に延々い続けるハメになったりもする。子供の自我がどんどん芽生え、親の意向になど付き合ってくれなくなるものだ。だからこそ、ママ本位が可能なうちは、ママの好きな場所に出かけるとよいとも思う。「VERY」においてはママだが、ママに限らず父親がワンオペ育児の場合も同様だ。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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VERY(ヴェリィ) 2018年2月号 雑誌