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広辞苑にお願い! 「半陰陽」や「両性具有」が侮蔑的で誤解を与えるものである理由

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Thinstock/Photo by peshkov

 今年1月に出版された「広辞苑」の第7版に追加された「LGBT」という項目に間違いがあるということを、遠藤まめたさんが指摘されていました(「広辞苑にLGBTが登場。しかし、内容がおかしい」)。

 それにしても新広辞苑を手にとってみて、総頁数3216頁、総項目数25万語というのを具体的な重さとともに実感しました。新広辞苑は「LGBT」の他に「しまなみ海道」の間違いも指摘されていましたが、これだけ他分野の項目を、どれだけの人数の人で書いてるの? 25万語のチェックってどれだけの人でやってるの? と考え、どこまでも果てのない道を想像しました。僕なら項目を数えるだけでも途中で気を失うでしょう。岩波書店さんも訂正の検討をしているということ。言葉は時代とともに移り変わるもの。とても素早い対応に驚きました。

 さて、DSDs(体の性の様々な発達/性分化疾患)はどうなっているんだろう? DSDsとは「これが一般的だとされる女性・男性の体とは生まれつき一部異なる体の状態」を表すものです。外性器の形状や大きさ、染色体や性腺の構成が「普通」とされる状態とは少し違っていたり、女性の生まれつきの子宮の有無など様々な体の状態があります。

 誤解や偏見が今でもありますが、DSDsは「男でも女でもない性」ではありません。当事者のみなさんの大多数は自分を女性・男性であることに疑いを持ったこともなく、むしろ他人が自分を完全な女性・男性と見てもらえないのではないかと恐れているというのが現実の状況です(詳しくは「DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患/インターセックス)の新・基礎知識QA」を御覧ください)。

 ずっしりとした新広辞苑を手にとって、まるで事前の防衛手段のような諦念も含めながら(これは決して広辞苑さんに対してではありません)、多分載っているとしたらここなのだろうと「は」行を引きました。

はん-いんよう【半陰陽】動物、特に家畜や人での間性(かんせい)。単なる外見的な異常の場合もある。半陰半陽。ふたなり。両性具有。

 …

 こういう説明、久しぶりに見た…。30年位前までの医学書ではこんな書き方だったような……

 「動物・家畜」という言葉にギョッとした方、「ふたなりって古語かもしれないけど、今や某特定ジャンルの言葉じゃん」と思った方もいらっしゃるでしょう。ですが、「半陰陽」と言うと一般の方には案外こういうイメージが思い浮かぶものかもしれません。この問題は、「LGBT」や「しまなみ海道」のような具体的な間違いがあった……という単純なレベルのものではなさそうです。

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